犬の性格って変わるの?年齢に応じた変化を解説

犬はたったの一年で人間の7年相当の成長、加齢が進むと言われています。この時間の流れのギャップは家族として、切なさを感じることもあるでしょう。

犬の生涯において、生後一年までの期間は最も成長が著しい期間です。このわずかな期間に犬は赤ちゃんから成人へと成長を遂げます。

人間であれば20歳相当の精神年齢に達します。当然しつけや環境、生活によって性格にも様々な影響が及ぶことを理解し接してあげましょう。

柴犬の性格ってどんな性格?

柴犬は数いる日本犬の中でも

・攻撃性が少ない

・飼い主に忠実

・警戒心が強い

という特徴があります。このような気質を持った背景は、他の大柄な日本犬達は狩猟を任務としていたものの、柴犬が玄関先や納屋での番犬を役目として誕生しているからです。大きな獲物に立ち向かう必要はない代わりに、家族以外の人間が敷地内に侵入しないように常に神経を研ぎ澄まし、見張ることを期待されていたからです。そのため、家族とそうでない人、動物との間には明確な線引きをする傾向があります。

この点はしつけで若干解消することもできますが、洋犬のような無邪気さ、奔放さにまで変化することはありません。

共に暮らす中で感じる柴犬の性格は

・家族には甘えん坊

・頑固

・食へのこだわりが強い

・凛としている

・我慢強い

などを挙げることが出来ます。また一方で

・苦手なことには過剰に反応してしまう

・人見知りが激しい

・他犬が苦手

という困った面もあります。

柴犬は元来家族との密な関係性を望むタイプです。不特定多数の人や犬との交流を望むタイプではないので、この点をしっかりと理解し、接してあげましょう。

ドッグランや公園、レジャーに柴犬を同行させる際も、無暗に他人や他犬との接触は避けてあげましょう。

忍耐強い気質があるので、表立って不快感をあらわにすることはないものの、内面は穏やかではありません。

相手からの不意の行動がきっかけでスイッチが入り、攻撃的な態度を見せてしまうこともあるので油断は禁物です。

柴犬の性格が変わった気がする。そのタイミングは?

なんだか性格が変った?これまでできていたことが出来なくなった?と戸惑いを感じることがあるでしょう。

実は犬も成長の過程で何度か精神的な転換期を迎えます。

・生後3カ月

・生後半年

・生後一年

・3歳

・6歳

生後一年未満の性格の変化は身体的な成長に伴うもので、人間の子供の反抗期、思春期によく似ています。

〇生後3カ月・・・母犬からの完全な離乳、自立を終える時期です。自分自身で生活をし、縄張りを意識し、親を介さずに自分自身で周囲との関係性を構築しようと試みます。

この時期、

・甘噛みが悪化した

・強く噛むことがある

・名前を呼んでも無視をする

・叱っても効果がない

と感じることが増えてゆきます。人間であれば小学校入学程度の精神年齢です。徐々に自我が芽生え始めるころです。

この時期に子犬のわがままを全て受け入れてしまう、妥協してしまうとますます問題は悪化します。

しつけは共に生活をするうえでのルールです。誤った認識を持たないように、時には厳しく守るべきルールを教えてゆきましょう。

〇生後6か月・・・ほぼ身体的な成長が止まる時期です。今後は生後一年を目途に筋肉の成長が続き、ますます骨格はしっかりと形成されてゆきます。

この時期、人間であれば中学生、高校生程度の精神年齢に達しています。つまりは反抗期まっただ中です。

血気盛んな時期でもあり反抗的な態度を見せたり、これまで守ってきた生活のルールをわざと破ることも増えてゆきます。トイレの失敗は室内でのマーキングが目立ち始めるのもこの時期です。

中にはこれまでになかった無駄吠えが徐々に始まることもあるでしょう。散歩では引張癖がますます強くなります。

身体的な成長を成し遂げたこと、まだまだ社会経験が少ない事が影響し、この時期は自分が世界の中心であり、世界一の猛者だと勘違いをしてしまう時期でもあります。

飼い主の叱る声を無視することも多々ありますが、決して妥協したり、しつけが出来ないと諦めてしまわずに根気強く愛犬と接しましょう。

問題行動は早期解が何よりです。しつけに不安がある場合はプロのドッグトレーナーに相談をして

個別レッスンを受けることもおすすめします。

〇生後一年・・・人間であれば18~20歳程度の精神年齢に達しています。ほぼ自立し、自分なりのルールやこだわりも明確になります。

この時期、オス犬は周囲との縄張り争いの躍起になりがちです。散歩ではマーキングの回数が増えたり、他犬への関心が強まる時期です。

犬の精神的な成長はこの時点でほぼ止まります。この一年で形成された性格は将来のものとなります。

得意な事、苦手な事がそれぞれ明確になり、家族も把握出来ているでしょう。

今後は得意な事をより充実させること、苦手な事は無理強いをしたり、強制をするのではなく回避することで乗り越えることも必要です。

ただ犬は何歳になっても学びなおし、しつけ直しが出来る動物です。問題行動がある場合はドッグトレーナーの相談をして今後の改善策を見つけてあげましょう。

〇3歳・・・家族との生活も安定期に入り、お互いのリズムもつかみ切れている時期です。ただこの時期も性格の変化がみられます。

犬は3歳が身体的にも精神的にも最も充実するタイミングです。オスであれば群れのボスになり、メスであれば出産に適した時期でもあります。

これまで散歩中は他犬に無関心を装っていたはずの愛犬が激しい威嚇や無駄吠え、引張癖を見せるように急変した場合は注意が必要です。

人間からは理解できない周囲との関係性が影響し、激しい喧嘩に至ることもあります。特に未去勢のオスは要注意です。

一見おとなしくお互いが距離を縮め、挨拶をしているように見えても突然激しい喧嘩が始まることがあります。周囲との距離感は常に緊張感をもって考えてあげましょう。

またこの時期の多頭飼い開始はしっかりとした検討期間が必要です。安易に遊び相手、ペアのためにと新入りを迎えてしまうと縄張り意識から相手を迫害してしまうこともあります。

生活環境や飼い主との関係性、先住犬の性格をしっかりと見極め決断をしましょう。

〇6歳・・・この時期を境に犬はシニアと呼ばれる年齢を迎えます。シニアになるとそれまでの血気盛んな雰囲気は消え、大変穏やかでゆったりとした性格に変化します。

これまえ神経質に感じることが多かった場面でも素直に受け入れてくれるようになります。しかし一方でシニアだからこそのこだわりの強さや頑固さが目立ち始める時期でもあります。

この時期、徐々に聴覚、視覚、嗅覚の機能低下、身体機能の低下が始まります。以前に比べ感覚機能が低下することで、物事の察知が遅れがちになり、犬自身が危険や緊張を感じることが増えています。その上、危険を察知しても即座に対応することが出来ないジレンマも増大します。

穏やかな面と気難しい面とが共存するので、飼い主としての接し方に戸惑いを感じることもあるでしょう。ただ加齢による変化はしつけや強制では改善が出来ません。

飼い主が強硬な姿勢で接することでかえって関係性が悪化し、飼い主にさえ心を開かなくなることもあります。

このような変化は飼い主が一歩引き、大目に見るという心構えでいることも大切なことです。

犬も人間同様に年齢によって都度性格の変化がみられます。必ずしも万能な対策はありませんが、日々の生活の中でお互いがストレスを抱え込みすぎないように心がけ、接してゆきましょう。

またこれまでも生活にこだわりすぎないことも効果的な対処法の1つです。

自宅シャンプーが習慣だった場合でも、愛犬の態度や様子に応じて一時的にトリミングショップを利用することも考えましょう。

無理強いや強制で怪我を負ったり、ストレスを感じるよりも時には第三者の手を借りることも必要です。

飼い主のしつけ方によっても性格が変わる

犬は大変知能が高く、人間への共感性が高い動物です。性格形成においても飼い主の存在が大きく影響をします。

最も顕著な例は生後半年までの社会化期と呼ばれる期間です。この時期、飼い主が率先して周囲の人や他犬、動物病院関係者やトリマーと接することで犬もおのずと状況を理解し、社会に溶け込もうと考えます。

この時期にいかにたくさんの経験を積むかでその後の性格形成にも大きな差異がみられます。

愛犬を社交的でどこへでも安心して同行出来る性格に育てたいという場合は

  • 飼い主が率先して周囲とコミュニケーションを図る
  • 飼い主が楽しく、明るい雰囲気を醸し出す
  • 愛犬の失敗は叱るのではなく、落ち着かせる、なだめるという方法で対処する

この3点を心掛けておきましょう。

ドッグランや動物病院、ドッグカフェ、公園と犬と飼い主が周囲と交流を図る場は多々あります。社会化トレーニングを成功させるためには、ただ犬を連れ出し、開放するだけでは意味がありません。

犬は慣れない環境、見知らぬ存在に戸惑い、緊張を感じています。その時、飼い主がベンチに座り、無関心を装っていたり、スマホに夢中になっているようでは犬はどう対処すればいいのかわからずに不安からパニックを起こします。

愛犬が周囲に馴染み、楽しく過ごせるようになるためには、まずは飼い主自身が周囲の人間と笑顔で挨拶を交わしたり、会話を持ちましょう。

他犬とも同様です。愛犬は飼い主の声質の変化、態度、表情からその場の空気をよみ、安心感を覚えます。

愛犬に「こうなって欲しい」「理想の姿」があるのですから、まずはお手本を見せてあげましょう。

また緊張や不安からウロウロしたり、威嚇をしたり、尻込みをしてしまう場合も同様です。無理やりリードを手繰り寄せたり、抱き上げ他犬に近づけることは逆効果です。

それよりも飼い主が楽しく接する姿をみせる方がより効果的です。愛犬は飼い主の姿を通じて危険がない事、どう接すればいいかをしっかりと学んでくれています。

まずは「見本」と心掛け、叱ることよりも教えることを重要視してあげましょう。

突然性格が変わってしまった場合は、病気を疑おう

犬は痛みに強い耐性があり、内臓疾患はもちろん骨折でさえも耐えうることが出来る動物です。そのため目に見える変化から愛犬の体調不良に飼い主が気が付く時にはすでに病気が進行していることも珍しくありません。

もし愛犬が

・抱き上げようとした瞬間に怒った、噛みついた

・散歩を嫌がるようになった

・食べ残している食事を片付けようとした瞬間に唸り声をあげた

・爪先に触れただけでキャンキャンと鳴き叫んだ

・ブラッシング中に突然暴れ出した

などの突発的な変化を見せた場合は、念のため動物病院で健康診断や血液検査を受けてあげましょう。特に中高齢期の犬は検査をおすすめします。飼い主が気が付かない間に、

・内臓疾患による腹部痛

・慢性的な便秘による不快感

・腫瘍

・イボ

・関節痛

などを抱えていることもあります。飼い主が不意のタイミングで患部に触れたり、刺激をしたことで激痛が走り、条件反射的に激しい態度に出てしまうこともあります。

トリミングショップや動物病院を利用した際に、飼い主が大人しい性格だと認識していたはずの愛犬が突然激しく抵抗をしたり、噛みついたり、鳴き叫ぶのもこのような原因が考えられます。

自身の体の不調に気が付き、身の危険を感じてしまうからです。

柴犬は被毛の密集度が高く、外見から病気を発見することが難しい犬種です。気になる変化があった時はまずは動物病院に相談をしましょう。

万が一、飼い主に噛みつく、威嚇をする場合でも強硬な態度を見せたり、無理に押さえつける、抱き上げるなど犬が抵抗できない方法で一時的な対処を繰り返してしまうと、ますますお互いの関係性は悪化します。

このような関係性の悪化は人間への強い不信感につながり、今後の検査や治療、入院時の大きな妨げになります。

本来家族が大好きで、従順で忠実な気質を持つ柴犬がこのような態度に出るという事はそれなりの意味があると理解し、原因究明に取り組んであげましょう。

まとめ

犬にも性格があり、成長や加齢とともに人間同様に変化がみられる事をご理解いただけたでしょうか?

時にはしつけが難しい、気難しい、ストレスだと感じてしまうこともありますが、一方で誰よりも分かり合えるパートナーだと感じることもあるでしょう。

お互いが相手を理解しよりよい関係性を築けるように接してゆきましょう。

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