ミックス犬の外見の特徴と、両親からの遺伝について
犬も人間も同じように、生まれてくる子供は父と母の染色体を半分ずつ受け継ぎます。そのためミックス犬は、父の犬種由来の遺伝子を半分、母の犬種由来の遺伝子を半分持っています。(ミックス犬は「ハーフ犬」と呼ばれることもあるのはこのためです。)
ところが、持っている遺伝子が半分ずつだからと言って、外見上の特徴もきれいに半分ずつ受け継ぐわけではありません。
遺伝学に関する少し難しい話になってしまいますが、ある生物の個体が遺伝的に受け継ぐ特徴には「顕性」と「潜性」があり、両親から受け継ぐ遺伝子の組み合わせによって、個体に現れる特徴が変わってくるのです。同じ両親から生まれたきょうだいでも、半分ずつ受け継いだ父親と母親の遺伝子の「組み合わせ」は異なっています。きょうだいの間にそれぞれの個性があったり、父親似と母親似が変わってくるのはこのためです。
ミックス犬の外見上の特徴も同じように、父親の犬種譲りな部分と、母親の犬種譲りな部分があります。引き取った幼犬のころは片方に似ていたのに、成長するにつれてもう片方の犬種の特徴が目立ってくることも珍しくはありません。
成長とともにミックス犬がどんな子に育っていくかという驚きと楽しみ、わくわく感は、純粋な犬種のワンちゃんを飼っている時には味わえない経験といえそうですね。
人気の柴犬ミックス犬、それぞれの特徴と魅力を紹介!
柴犬&チワワ(柴チワ)
黒毛の柴チワが「まろ」、 赤毛の柴チワが「ひめ」。どちらもメスの子で、ご近所さんから譲ってもらって今の飼い主さんのお家にやってきたんだとか。
黒い方の「まろ」には、純粋な黒柴に特徴的なまるい眉毛がくっきりと表れていて、まさに平安貴族!二匹とも、柴犬の面影を残しつつ、耳元にチワワっぽさもあってとてもキュートですよね。
「まろ」と「ひめ」の飼い主であるさくゆうさんはLINEスタンプクリエイターで、さくゆうさんのブログにも2匹がたびたび登場するのでぜひチェックしてみてください!
柴チワの特徴の参考のために、チワワと柴犬の特徴についてまとめた表が以下になります。
チワワ | 柴犬 | |
体高の目安 / cm | 12 ~ 20 | ♂ 35 ~ 43 ♀ 33 ~ 41 |
体重の目安 / kg | 1.5 ~ 3.0 | ♂ 8 ~ 11 ♀ 7 ~ 9 |
特徴的な性格 | 陽気 保守的 飼い主以外を警戒 怖がりで、吠え癖も | リーダーに忠実 聡明 頑固 強い警戒心 |
寿命の目安 / 年 | 12 ~ 20 | 12 ~ 15 |
かかりやすい病気 | 水頭症 低血糖症 尿路結石 膝蓋骨脱臼 僧帽弁閉鎖不全(心臓病) | アトピー性皮膚炎 食物アレルギー 白内障 膝蓋骨脱臼 僧帽弁閉鎖不全(心臓病) |
柴&トイプードル(柴プー)
こちらの写真、実は親子のツーショットなのです!左が、黒柴のパパの「おはぎ」くんで、右が娘で柴プーの「いちご」ちゃんです。お耳や鼻元は柴犬のパパそっくりで、ウェーブがかった体毛はトイプードルのママ譲り。
柴×プードルで「柴プー」という相性が一般的ですが、海外では「Poo – Shi」という愛称で親しまれているようです。小ぶりな体格がかわいらしく、柴チワと並んで人気が高いミックス柴のうちの1つです。
トイプードル | 柴犬 | |
体高の目安 / cm | プードルのうち 28cm以下のもの | ♂ 35 ~ 43 ♀ 33 ~ 41 |
体重の目安 / kg | 2.5 ~ 4.5 | ♂ 8 ~ 11 ♀ 7 ~ 9 |
特徴的な性格 | 活発 好奇心が強い 聡明 社会性に長ける | リーダーに忠実 聡明 頑固 強い警戒心 |
寿命の目安 / 年 | 12 ~ 15 | 12 ~ 15 |
かかりやすい病気 | てんかん 涙やけ 外耳炎 膝蓋骨脱臼 クッシング症候群(副腎疾患) | アトピー性皮膚炎 食物アレルギー 白内障 膝蓋骨脱臼 僧帽弁閉鎖不全(心臓病) |
柴犬&コーギー(シバーギー)
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柴犬とコーギーをフュージョンさせたら一体何が生まれるのか?そうです、「シバーギー」。上は、シバーギーのマルさんの写真です。
コーギーは小ぶりな体に対して胴長なスタイルが特徴的な犬種。柴犬もコーギーもダブルコートの被毛を持つワンちゃんで、マルさんはつややかな白毛をしていらっしゃいます。
マルさんは柴犬の中でも小ぶりな豆柴が親なので、シバーギーの中での小ぶりなシバーギーです。顔と巻いたしっぽに柴犬っぽさがあり、小ぶりな体に対してちょっと長めな胴体の比率とピンと立った耳元に、コーギー由来のチャーミングさが感じられますね!
コーギー(ペンブローク) | 柴犬 | |
体高の目安 / cm | ♂ 25 ~ 30 ♀ 25 ~ 30 | ♂ 35 ~ 43 ♀ 33 ~ 41 |
体重の目安 / kg | ♂ 10 ~ 14 ♀ 10 ~ 13 | ♂ 8 ~ 11 ♀ 7 ~ 9 |
特徴的な性格 | 賢い やんちゃ 社交的 強い警戒心 | リーダーに忠実 聡明 頑固 強い警戒心 |
寿命の目安 / 年 | 12 ~ 14 | 12 ~ 15 |
かかりやすい病気 | 皮膚疾患 椎間板ヘルニア 股関節形成不全 尿路結石 | アトピー性皮膚炎 食物アレルギー 白内障 膝蓋骨脱臼 僧帽弁閉鎖不全(心臓病) |
【レア】柴犬&シベリアンハスキー(柴リアンハスキー)
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(※写真は、純粋なシベリアンハスキー(左)と、純粋な柴犬(右)です)
柴犬とシベリアンハスキー、お互いの顔つきはなんだか似ていますね。これらのミックス犬は「柴リアンハスキー」とも呼ばれ、名前の語呂もいい感じ。
柴リアンハスキーのサイズ感としては、「やや大きめな柴犬」か「やや小さめのシベリアンハスキー」といったところでしょうか。シベリアンハスキーの目の色を受け継いだ柴リアンハスキーは、青白く透き通った瞳の子になりますよ。
柴犬もシベリアンハスキーもポピュラーな犬種ですが、柴リアンハスキーの繁殖を行っているブリーダーは日本には少なく、ミックス柴の中でもあまりお目にかかれない部類に入ります。もし街で柴リアンハスキーを見つけたら、その日はとてもラッキーな日です。
シベリアンハスキー | 柴犬 | |
体高の目安 / cm | ♂ 54 ~ 60 ♀ 50 ~ 56 | ♂ 35 ~ 43 ♀ 33 ~ 41 |
体重の目安 / kg | ♂ 20 ~ 27 ♀ 16 ~ 23 | ♂ 8 ~ 11 ♀ 7 ~ 9 |
特徴的な性格 | 穏やか フレンドリー 頑固 不器用 | リーダーに忠実 聡明 頑固 強い警戒心 |
寿命の目安 / 年 | 12 ~ 15 | 12 ~ 15 |
かかりやすい病気 | ブドウ膜皮膚症候群 進行性網膜萎縮 若年性白内障 変形性脊椎症 股関節形成不全 | アトピー性皮膚炎 食物アレルギー 白内障 膝蓋骨脱臼 僧帽弁閉鎖不全(心臓病) |
【レア】柴&ゴールデンレトリバー(ゴールデン柴リバー)
(※写真は、純粋な柴犬と純粋なゴールデンレトリバーです)
ゴールデンレトリバーと柴犬のミックス犬は、一部では「ゴールデン柴リバー」と呼ばれているようです。柴リアンハスキーよりもレア度が高く、入手困難なミックス犬の一つです。
ミックス犬の飼いやすさ、健康について
ミックス犬の性格について
ミックス犬の性格も同様に、父親と母親の両方の影響を引き継ぎます。
純粋な犬種の場合でも、その犬種に共通する性格に加えて、それぞれのワンちゃんの個性によっても性格は大きく左右されます。ミックス犬の場合は、両親の犬種由来の性格に加えて、両親の個性の影響も引き継ぐといわれているので、性格に関する不確定な様相は純粋な犬種よりも大きいといえます。それでも、ミックス犬の子犬のしつけのしやすさ、大人しさを考えるう上では、両親の性格も把握しておきたいところです。
ワンちゃんの個性によって飼い主さんや飼い主さん家庭との相性の良しあしはあるのも事実。お互いがハッピーなペットライフを送るためには、実際に子犬のワンちゃんと会ったり、ショップの店員さんやブリーダーさんから話を聞くのが大切です。ミックス犬でも純粋な犬種のワンちゃんを飼う場合でも、家庭にワンちゃんを迎えるまでの基本は変わりません。
ミックス柴はしつけしやすい?
柴犬は飼い主に忠実で聡明な性格から、しつけがしやすい犬種として知られています。そのため、ミックスの柴はミックス犬の中でもしつけがしやすく、比較的飼いやすい子が多いといえるでしょう。
ワンちゃんを飼う時は、人間と一緒に暮らすうえで直した方がいい部分はしつけによって克服して、それぞれのワンちゃんが本来持っている長所を引き出してあげることが大切なんですね。
ミックス犬の寿命について
犬の寿命は大型になると短くなる傾向があり、一般的な大型犬は10年、中型犬と小型犬は15年が一つの目安になります。
「ミックス犬は純粋な犬種と比べて、寿命が短い」というイメージがあるようですが、近年のペットの住環境の改善、ペットの医療や栄養バランスのとれたドッグフードの充実、ペットの健康意識の高まりによって、両者の寿命には大きな差はなくなってきているようです。
片方の親に大型犬を持つミックス犬の場合は、寿命の目安は純粋な大型犬と同じくらいとなります。生まれてくるミックス犬の体格のバランスを考えると、大型犬と小型犬などの極端に差があるミックス犬はあまりお目にかかりません。そのため、中型犬でもやや小さめな部類に入る柴犬のミックスの寿命は、15年を寿命の目安と考えていただいて差し支えありません。
ミックス犬が注意すべき病気
ミックス犬の末長い健康を考えるうえでは、母方の犬種のかかりやすい病気と父方の犬種のかかりやすい病気の両方に気を付けておく必要があります。
例えば、柴とチワワのミックス犬を飼う場合は、柴犬がかかりやすいとされるアトピー性皮膚炎・僧帽弁閉鎖不全(心臓病)、チワワがかかりやすい緑内障や水頭症といったこれらすべての病気のリスクをケアしておきたいところです。
ミックス犬は遺伝子疾患にかかりやすい?
「ミックス犬は遺伝子疾患が心配」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
確かに、純粋な犬種どうしを交配させる場合よりも様々なことを考慮する必要があり、ミックス犬の繁殖や交配を行うために必要な知識や技術はより高度になります。それでも、ミックス犬の繁殖の専門知識があるブリーダーが交配を行い、正しい取引が行われていれば、ペットとして飼うミックス犬の遺伝子疾患のリスクはそれほど心配する必要はありません。
ところが、利益を増やすために無計画にミックス犬の繁殖を行っている業者も一部には存在するともいわれています。ミックス犬を家庭に迎えるときは、ブリーダーさんやショップとの信頼関係がより一層大切になります。
ミックス犬はどこで探せばいい?
ミックス犬の主な入手方法は、「ペットショップ」と「ブリーダー」の大きく2つがあります。
ミックス犬のおすすめペットショップ
ペットショップのメリットは、一度にたくさんのミックス犬に会いに行くことができること。同じペットショップでも、ある程度ミックス犬を扱っている実績があるところが安心ですね。
ペットショップのコジマは、販売しているワンちゃんの遺伝子検査を行っています。
ペットの専門店コジマは、特定の犬種・猫種に対し遺伝子病検査を実施いたします。
ご提供するワンちゃん・ネコちゃんの予見できる重篤な遺伝子病リスクをなくす取り組みを行っております。日本初のコジマだけの取り組みです。
「P’s – first」は、子犬のワンちゃんの健康や環境の管理にとても力を入れているショップです。
子犬を最優先に考えたペットショップP’s-first :ミックス犬特集
ミックス犬のおすすめブリーダーサイト
ミックス犬のブリーダーを探したいという方は、「ブリーダーワン」というサイトがおすすめです。チワワやトイプードル、ポメラニアンを中心に、ミックス犬のブリーダーさんが数多く紹介されています。