柴犬に多い皮膚病。アトピーの原因や予防法。

運動量も多く活発な柴犬ですが、皮膚病になりやすいということご存知でしょうか?実は、柴犬はアトピーやアレルギーでの、皮膚病にかかりやすいと言われています。

お家のワンちゃんの様子がどこかおかしいと思っていたら、皮膚病にかかっていたということもあり得るのです。この記事では、柴犬にかかりやすい皮膚病の症状と原因、予防法について紹介しています。

皮膚病を放っておくと、更に悪化を招くことに繋がってしまうのです。皮膚病について詳しく把握しておけば、ワンちゃんが皮膚病にかかった際に早期段階で気づくこともできます。

この記事を参考に、あなたの柴犬が健康的に過ごすサポートができれば幸いです。

柴犬がかかりやすい皮膚病一覧

ここでは、柴犬にかかりやすい皮膚病の概要を紹介しています。柴犬に起きやすい皮膚病には、アトピーから現れるものとアレルギーから現れるものが存在します。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、空気中のハウスダストやダニ・カビ・花粉などが原因となって現れる病気のことを言います。人間のアトピー性皮膚炎とは違いがあります。

そのため、通常犬アトピー性皮膚炎とも呼ばれているのです。柴犬がかかる皮膚病のうちのほとんが、このアトピー性によって起きる皮膚炎です。

アトピー性皮膚炎は主に、目や口などの顔周り、湿気の多い指のすきまや脇の下に症状が現れます。また、全身にもかかり得る病気でもあるのです。

アトピー性皮膚炎は、診察での判断が難しい病気でもあります。他の皮膚炎や食物アレルギー、その他の皮膚炎ではない病気からも同様の症状が見られるためです。

症状を何度も見ている獣医さんでも、判断をしづらいと言われています。1つの症状が現れただけでは、アトピー性皮膚炎との判断は難しく、他の病気である可能性も十分にあります。

5つ以上の症状がアトピー性皮膚炎の症状と一致して初めて、8割方アトピー性皮膚炎であると言えるのです。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎とは、アレルギーの原因になる食物や植物を体内に取り込んだり、触れたりすることで起きる皮膚炎のことを言います。

ワンちゃんによって、アレルギーを起こす食物も違えば、どのくらいの量で症状が発症するかも異なる病気です。

柴犬にアレルギーを起こしやすい食物として、主にタンパク質の多いお肉や卵・炭水化物の小麦があげられます。

アレルギー性皮膚炎は、アトピー性皮膚炎と違って原因を特定しやすいので、症状の出現を予期することが可能です。

対象となる食物を食べさないようにしたり、家内で対象となる布団やクッション、散歩時の植物などを除去することで対策を行うことができます。

膿皮症

膿皮症とは、黄色ブドウ球菌などの皮膚が常に持っている細菌が、急激に増加することで起きる病気のことを言います。

細かい名称は発症を起こす部位や症状により異なります。中でも、柴犬は皮膚の毛穴奥に膿がたまってしまう毛包炎になりやすいと言われています。

ワンちゃんは毛包の防御力が弱く少しでも細菌バランスを崩すと、毛包の炎症が起きてしまうので。見た目の症状としては白ニキビに似ていますが、痒みを伴う病気です。

アレルギーや内分泌疾患を起こしやすい犬種によく現れる膿皮症ですが、膿皮症が起きると他の病気と合併してしまうこともあるのです。

放置をすれば、痒みや症状が悪化してしまう恐れがあります。ワンちゃんに異変を感じた時には獣医さんを訪れるよう配慮をしましょう。

マラセチア皮膚炎

マラセチア皮膚炎も膿皮症と同様に、皮膚に常に存在する細菌が増えることにより起きる病気です。マラセチアという酵母菌が脇の下や爪に増殖をすると、温疹を起こしたり、皮膚がベタついたりといった症状が現れます。

免疫機能が下がっていたり、内分泌疾患が起ていたりすると、細菌が増加しやすい傾向にあります。

皮膚が濡れたような症状が現れることから、脂漏症・指漏性皮膚炎とも呼ばれています。湿気がたまりやすい指や耳のすき間、脇の下によく起きやすい病気です。

アトピーや食物アレルギー、内分泌疾患を持っているワンちゃんにかかりやすいと言われています。

柴犬がかかりやすい皮膚病の症状

柴犬にかかりやすいアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、膿皮症、マラセチア皮膚炎ですが、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか?

赤い腫れや痒みが現れる症状が多く見られますが、強い匂いを放ったり、フケが発生したり、嘔吐下痢を起こす場合もあるのです。

アトピー性皮膚炎の症状

柴犬に現れるアトピー性皮膚炎の症状には、皮膚の色の変化(赤黒くなる)、痒み、脱毛、外耳炎があります。

ワンちゃんが腫れや痒みを皮膚に起こすと、症状の起きている箇所を掻いたり舐めたりする姿が見られます。掻いたり舐めたりすることで、更なる症状の悪化を招いてしまうのです。

症状が悪化すると、皮膚が黒ずみ、毛が抜け落ちる場合もあれば、他の病気と合併症を起こしてしまう場合もあります。

二次的な感染症を起こすことで、膿皮症やマラセチア皮膚炎などの症状に見られる、フケや異臭を伴ったりすることもあるのです。

アトピー性皮膚炎は、完治する確率が低い病気でもあります。

アレルギー性皮膚炎の症状

アレルギー性皮膚炎の症状には、皮膚が赤くなる、痒み、外耳炎、下痢などが存在します。

アトピー性皮膚炎と同じように、痒みに耐えきれず足の指や脇の下を掻いたり舐めたりしてしまうと、症状が悪化します。また、食物アレルギーや植物・家の中のアレルギー源と接触することで起きる炎症ですので、様々な症状が現れます。

食物アレルギーでは体に赤みや痒みが現るだけでなく、ワンちゃんによっては嘔吐下痢を引き起こす場合もあるのです。

接触で起きるアレルギーには、食器やクッションなど身近な物に何かしらのアレルゲンが含まれている場合もあります。

接触でのアレルギーが起こる場合には、触れた箇所が炎症反応・湿疹状態を起こしてしまいます。

膿皮症の症状

膿皮症の症状には、皮膚が赤くなる、痒み、脱毛、フケ、湿疹があります。症状が重症化した場合には、膿瘍や発熱、痛みを引き起こすこともあるのです。

膿皮症は主に、表面性と表在性、深在性に分かれます。表面性膿皮症は、皮膚の表面に細菌が増殖することで皮膚が炎症する病気のことです。

表在性膿皮症とは、表皮内や毛包上部など皮膚の表面より少し深い場所に細菌が増殖します。深在性膿皮症とは、表在性膿皮症よりも深い真皮中層~深層で起きる炎症のことです。

柴犬になりやすいと言われている毛包炎は、皮膚の表面より深い位置にある真皮中層から深層に炎症が起き、ワンちゃんの皮膚に赤みや痒みが起きます。

マラセチア皮膚炎の症状

マラセチア皮膚炎の症状には、皮膚の赤み、痒み、指漏、フケ、独特の臭いの発生が挙げられます。口周り・鼻・指の隙間・内股・肛門周囲部など、体全体に現れる可能性のある病気です。

症状が悪化すると、痒みの起きていた部位が脱毛したり、黒ずんできたりします。指漏症・指漏性皮膚炎の一種でもあるため、被毛が濡れているかのようにベタついたり、フケが増加するときもあります。

症状が重くなると、舐性皮膚炎と呼ばれる皮膚を舐め続けるとで起きる病気を併発してしまう可能性もあるのです。

皮膚病の治療法

アトピー性やアレルギー性の皮膚病は、遺伝的になる病気のため完全に原因をたつことは困難です。赤い腫れが広がった時や痒みがひどい時には、動物病院を訪れ治療をする必要があります。

主に、アレルギーの原因を特定・症状の検査・症状に対する対策・かゆみ止めなどのお薬の処置が行われます。長い治療時間はかからないものの、お薬を使ったりと自宅での療養が必要です。

治療費は、症状によりバラつきがありますが、1万円〜6万円ほどかかります。

皮膚病の原因

遺伝的にも皮膚病にかかりやすいと言われている柴犬ですが、ワンちゃんが過ごす環境や食物に気を使うことで、皮膚病の発症を予防することには繋がります。

皮膚病の原因を知ることで、ワンちゃんに症状が起きる前の対策法を見つけることもできるのです。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因は、カビやダニ、花粉、ほこりなど空気中にある成分を吸うことで発症します。

アトピーの発症は、遺伝的にアトピー性皮膚炎になりやすい体質を持っているワンちゃんに起こります。

そのため、柴犬のワンちゃんにより症状が現れないワンちゃんもいれば、症状が起きる度合いも異なるのです。

親犬がアトピー体質の場合は、子供となる柴犬にアトピー性皮膚炎を起こす可能性が高いと考えられており、完全な原因をたつことができない病気でもあるのです。

アレルギー性皮膚炎の原因

アレルギー性皮膚炎は、ワンちゃんにアレルギーを起こす元となる食物や植物を摂取・接触することで発症します。アレルギー性皮膚炎も、生まれつきで特定の食物にアレルギーを持っています。

そのため、アトピー性皮膚炎と同様完全に原因を除去することができません。しかし、食べ物や飼育環境を良くすることで発症の原因となるものを避けることは可能です。

膿皮症の原因

膿皮症の原因は、犬の皮膚に存在している黄色ブドウ球菌などの細菌が、異常に増えることで起きます。細菌が増える理由には、免疫機能の異常や内分泌系器官に疾患が起きることがあげられます。

他の皮膚炎が起きることで、合併症として起きる病気でもあり、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎にかかった後に発症する場合もあるのです。

マラセチア皮膚炎の原因

マラセチア皮膚炎は、マラセチアという酵母菌が増加することによって引き起こされます。

マラセチアも常に皮膚に存在している細菌ですが、皮膚へ何かしらのトラブルが起きた際に細菌の量が増えると言われています。

アトピーやアレルギー、内分泌系の疾患、膿瘍を持っているワンちゃんになりやすいとされています。他の皮膚炎が原因となり併発する可能性もあるのです。

全体的な皮膚病の原因

遺伝的にも起きる皮膚病ですが、全体的な原因として、食物・環境・ノミやダニ・痒みが起きた部位を舐めること・刺激・ストレスがあげられます。

痒みが起きた際、かゆいために何度も舐めたり掻いたりを繰り返してしまいますが、症状悪化の原因です。

また、シャワーの温度が高い場合にも、アトピーが起きやすい箇所に刺激を与えてしまうと、症状を引き起こしてしまうこともあります。

ストレスからも免疫機能を低下させてしまうため、皮膚病を起こす原因になり得るのです。

皮膚病の予防法

最後に、皮膚病の予防法を紹介させて頂きます。遺伝的に起きる可能性が高い皮膚病ですが、発症の原因となる成分の付着を防いだり、アレルギー対象となる食物を避けることで、発症の予防をすることに繋がります。

あなたの柴犬が痒みや腫れで悩まないよう、発症前に対策を行っておきましょう!

アトピー性皮膚炎の予防

アトピー性皮膚炎の場合には、空気中のハウスダストやダニが原因となるので、室内の清掃をこまめに行うことが重要です。

家内のアレルゲンを少なくしておくことで、症状の予防に努められます。また、ワンちゃんにブラッシングやシャンプーを定期的にすることで、被毛についたアレルゲンを除去するサポートができます。

アレルギー性皮膚炎の予防

アレルギー性皮膚炎の場合は、原因となる食物や植物・物質を避けさせることが大切です。

アレルギー性皮膚炎にかかったワンちゃんの中には、薬ではあまり効果が見られなかったものの、対象の食物をたったら炎症が治ったという事例もあります。

それだけアレルギー性皮膚炎には、原因となる物質そのものを摂取・接触させないことが重要になるのです。アレルギー性皮膚炎の疑いがある場合は、除去食試験を行うようにしましょう。

膿皮症・マラセチア皮膚炎の予防

膿皮症・マラセチア皮膚炎の予防は、アトピー性皮膚炎と同様に皮膚の炎症を起こさないよう、ブラッシングやシャンプーを定期的に行うことが重要です。

アトピー性皮膚炎とアレルギー性皮膚炎の合併症として起きやすい病気でもありますから、両病気の予防を行うことは膿皮症・マラセチア皮膚炎の予防にも繋がります。

また、ストレスを溜めてしまうと免疫機能が低下し、皮膚病の症状が起きやすくもなります。

柴犬は運動量の多い犬種でもあるので、ワンちゃんがストレスを溜めないよう長時間の散歩や運動をさせてあげると良いでしょう。

全体的な皮膚病の予防

多くの皮膚病の原因は、食物・環境・ノミやダニ・ストレスから起きます。

皮膚病の発症を予防するためには、小まめに家内の掃除を行うこと、ブラッシング・シャンプー、適切な食事、十分な運動が大切です。

小まめに掃除を行えば、部屋内の汚れを減らすことができますし、ブラッシングをすればワンちゃんの被毛の汚れを落とすことができます。

シャンプーについては、皮膚表面を守るバリアを弱めてしまう場合もあるので、適切な頻度・適切なシャンプーを使う必要があります。

また、ワンちゃんに皮膚病を発症させないためにも、ストレスを溜めない環境づくりや運動が欠かせないのです。

柴犬の皮膚病を対策するなら

柴犬は、皮膚病にかかりやすいワンちゃんです。普段は健康的に過ごしている柴犬でも、もしかしたら赤みや痒みが発生している場合もあります。

ワンちゃんが特定の場所を掻いたり舐めたりしていたら、皮膚病にかかっていないかチェックをしてあげましょう。

また、皮膚病の原因を完全にたつことはできなくても、予防に努めることはできます。あなたのワンちゃんが皮膚病にならないよう予防を行うことは重要なのです。

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