自宅で愛犬と過ごしているとき、飼い主が油断している隙に誤飲してしまうことがあります。何を食べたかわからないときや愛犬の様子がおかしいとき、飼い主は焦ってしまうでしょう。
そこで、犬においてよくある誤飲とその対処法についての理解を深めて、もしものときに冷静に対応できるようにしておきましょう。誤飲の種類や危険性、症状などから対処法を紹介します。
目次
緊急病院にかかった方がいい誤飲
愛犬の誤飲は、甘く見ていると危険です。そこで、緊急病院にかかった方が良い場合の誤飲について、その特徴を挙げていきます。すぐに病院を受診すべき誤飲になるので、飼い主として理解しておく必要があるでしょう。
1 タバコや漂白剤など、成分に危険性があるものを誤飲したとき
タバコや漂白剤など、私たち人間にとって危険性のある物質を犬が飲み込んでしまったときにも、油断はできません。タバコに関しては、中に含まれるニコチンによって接種後数分で中毒症状が現れます。すぐに症状が現れる可能性が高いため、タバコを誤飲してしまったとわかった場合には早急に病院へ向かいましょう。
その他に、漂白剤も犬にとって有害となります。口腔内や消化管といった部位において炎症を引き起こす恐れがあるため、誤飲してしまったらできるだけ早く病院を受診したいです。このような有害物質を誤飲した際には、明らかにいつもとは違う異変が見られるケースが多いです。緊急病院での受診が必要となります。
2 大きめサイズの布類を誤飲してしまったとき
犬の誤飲にはさまざまな物質が挙げられますが、その一つにぬいぐるみやタオルなどの布類も含まれます。靴下やボールなどのおもちゃを飲み込んでしまうケースもあるでしょう。
飲み込んだ布類のサイズが大きめの場合や症状がすでに現れ始めているときは、速やかに病院へ向かいましょう。小さな布類であれば便と一緒に出てきて解決となりますが、サイズが大きいと、医師の元で治療を受ける必要があります。
この他にも、乾燥剤や保冷剤、電池、硬貨など、愛犬と共に暮らす中でうっかり誤飲してしまうリスクはたくさん潜んでいます。特に室内犬においては、誤飲のリスクが高まるので、飼い主も細心の注意を払って日常生活を過ごす必要があるでしょう。
場合によって危険な誤飲
愛犬の誤飲は、飼い主が早く気づいて対処することで症状の悪化や手遅れになるのを防ぐことができます。すぐに病院へ向かった方が良いケースとして、タバコや漂白剤などの有害物質を摂取してしまったときについて紹介しましたが、その他にも犬にとっては危険となる物質がたくさんあります。ここでは、危険な成分が含まれているため注意したい生活用品や、犬にとってどのような影響を与えるのか見てみましょう。
1 犬にとって危険な成分また大量摂取すると危険な成分
まず、犬にとって危険な成分を含んでいるものには、以下が挙げられます。私たち人間にとって身近なものばかりなので、室内で愛犬と暮らしている場合は日々注意が必要と言えるでしょう。
・人間用の解熱鎮痛薬に含まれるアセトアミノフェン(少量でも中毒症状を引き起こす恐れがある)
・トイレ用洗剤や食器洗浄機などに含まれる腐食性物質(摂取後数分以内に口やのどに痛みを感じる)
・アロマオイルに含まれる植物成分(大量に摂取した場合は急性中毒を引き起こす恐れがある)
・ネギ類に含まれるアリルプロピルジスフィド、アリシン(溶血性貧血を起こして、ふらついて倒れることがある)
・チョコレートに含まれるテオブロミン(興奮作用を引き起こし、最悪の場合死亡することがある)
上記のような成分や食べ物を誤飲してしまい、いつもとは異なる行動や症状があらわれたら、すぐに病院へ向かいましょう。また、串やつまようじなど先の尖ったものを誤飲した際に、内臓に傷ができていると危険です。愛犬がお腹を痛がるようにしたり動きにくそうにしていると、体の中に異物がある可能性も出てきます。
その他にも、成分や誤飲した物質によって、呼吸困難やぐったりとした様子などが見られる場合もあるので、そのようなときにはすぐに病院で診察を受けましょう。
つまる場所によって異なる症状
犬の誤飲は、物質や成分によって非常に危険な場合も多々あります。飲み込んだものによって現れる症状が異なるものの、その物質によって緊急を要する事態を招いてしまう場合があります。そこで、ここでは、4つの症状と、詰まる原因となるものを解説します。
1 気道閉塞
誤飲において最も危険となる気道閉塞、症状には呼吸困難が挙げられます。すぐに病院へ行って処置を受けないと、手遅れになる可能性も高いです。固くて大きめのものを飲み込んでしまった、魚や肉の骨が引っかかってしまったときなどに気道閉塞は起こりやすいので注意しましょう。
呼吸困難になると息ができなくなり、最悪の場合死亡する恐れがあります。早急に気道確保を行なう必要があるので、診てもらえる病院へ急ぎましょう。
2 食道閉塞
気道閉塞だけでなく、食道閉塞も誤飲によって起きることがあります。犬はご飯を食べるのがとても早いですが、あまり噛まずに食べているからです。そのため、危険性があるものを誤飲する際にも、噛まずにそのまま飲み込んでしまうことが多いです。ボールや犬用ガム、骨、木、おもちゃなどが詰まりやすくなっています。
その結果、ものが食道に詰まって苦しくなり、普段聞こえることのない「グウグウ」といった音が喉からする場合があります。時折咳き込んだり、よだれを垂らして苦しそうにすることもあるので、異変が見られる場合はすぐに病院へ向かいましょう。
3 胃内異物
気道や食道に異物が詰まって圧迫されるのとは別に、胃内異物という状態に陥ることもあります。おもちゃや紐、串やボールなどを飲み込んでしまった際に、起こりやすい症状です。食道を通過し、胃に到達してしまうことで胃内異物という状態に陥ります。
全く症状が現れないこともあれば、食欲不振や嘔吐を繰り返すといった症状を引き起こすことがあるため、いつもと様子が違うと感じたら早急に対処しましょう。
4 腸閉塞
誤飲によって、腸閉塞を起こすこともあります。胃内異物では胃に異物が詰まってしまいますが、腸閉塞では腸にまで異物が届いた状態です。梅干の種やビニール、石やボール、手袋といったものを誤飲したことで、腸閉塞を起こすことがあるので気をつけましょう。
腸閉塞を起こしていると、食欲が低下して全く食べなくなったり、激しい嘔吐や腹痛といった症状が起こります。
誤飲したものが体内のどこに入ってしまうかで、現れる症状が異なります。愛犬がうっかり危険なものを飲み込んでしまわないように、日々室内に置いているものや散歩中の周りの様子に気を配っておきましょう。
誤飲した時の対処法
愛犬がうっかり誤飲してしまった、明らかにいつもとは違う様子である場合には、できるだけ早く病院へ連れていくべきです。その上で、自宅でできる対処法もあるので、合わせて知っておきましょう。
1 気道確保の応急処置
異物によって気道が塞がれていると、呼吸困難に陥り危険を伴います。そこで、応急処置の一つとして、気道確保を行ないましょう。病院に行く前に窒息しかかっているという緊急事態には、飼い主が気道確保をしなければいけません。
柔らかい異物が入っている場合には、ピンセットで取り除いてみましょう。このときに舌を引き出して気道を開くようにすると、愛犬も苦しがらずに異物を取り除くことができます。
一方、硬い異物が詰まっているときは、口に向かって押し出すようにしなければいけません。小型犬であれば頭を下にして背中を叩いてあげましょう。大型犬は横向きに寝かせて、肋骨の下を押すようにすると、異物が出てきやすくなります。
気道確保は重要な応急処置の一つになるので、ぜひ飼い主は実践できるようにしておきましょう。
2 オキシドール溶液を使った対処法
愛犬が誤飲してしまったとき、オキシドール溶液を使って応急処置することも可能です。ただし、鋭利なものや喉に影響を与える薬品でないときに限りますが、オキシドール溶液を誤飲してから1時間以内に適量を飲ませます。体重1kgあたり1~2mlの量が適量となっており、これはオキシドール3%溶液を使った場合です。
犬自身が進んで飲んでくれることはないので、飼い主がスポイトなどを使って愛犬の口の中に注ぐ必要があるでしょう。オキシドールを飲むことですぐに吐くこともありますが、異物が出てこないときは3回ほど試してみると良いです。オキシドールは、犬に与えることで胃の中にたくさんのガスを溜め込むことになるので嘔吐が誘発されます。濃度は3%のものが一番使いやすいので、自宅に常備しておくと対処できるでしょう。
東京都内の24時間受付をしている動物病院まとめ
(病院名、住所、電話番号、URLを記載、時間外診療の金額、クレジットカードが使えるかどうか、ペット保険の適用があるかどうかを記載してください)
愛犬が誤飲してしまったときには、早急に動物病院へ行くようにしたいです。そこで、自宅の近くにどんな病院があるのか、また評判をチェックして動物病院を見つけておくと安心でしょう。ここでは、東京都内で24時間受付を行なっている動物病院を紹介します。
1 東京動物病院24
品川区にある東京動物病院24は、あらゆるペットの診察を24時間体制で行なっています。誤飲してしまったときには、まず相談をしましょう。相談制度を取っているため、実際の診察に入る前に、ペットの様子を確認してもらうことができます。
東京動物病院24
住所:東京都品川区平塚2-5-8
電話番号:03-5702-0012
URL:https://animal24.tokyo/#top
・ペット保険適用の有無:有
・時間外診察の費用:不明
・クレジットカードの有無:有
2 日本動物医療センター
渋谷区にある日本動物医療センターも、24時間診察を実施している動物病院です。365日24時間対応しているので、いつどんなトラブルが起きた時にもすぐに連れていくことができるでしょう。
電話でまずは症状を伝え、その後病院に連れていくという流れになります。ペット保険の適用はないので、自費で負担しておいて後で手続きを行なうことになるので注意しましょう。
日本動物医療センター
住所:東京都渋谷区本町6-22-3
電話番号:03-3378-3366
URL:http://jamc.co.jp/
・ペット保険適用の有無:無
・時間外診察の費用:診察料1,550円+時間外診察料金8,800円(その他検査費用などが発生することも)
・クレジットカードの有無:有
3 ダクタリ動物病院
最先端の医療機器を揃えたダクタリ動物病院では、24時間体制でペットの治療を行なっています。しつけ教室やトリミング、ペットホテルといったサービスも展開しており、丁寧な治療と緊急時に駆けつけることができるという安心感があります。
犬や猫をはじめ、小動物やエキゾチックアニマルの診察も行なっているので、多くの人が利用する動物病院です。
ダクタリ動物病院
住所:港区白金台5-14-1 白金台アパートメント2F
電話番号:03-5420-0012
URL:http://www.daktari.gr.jp/index.html
・ペット保険適用の有無:有
・時間外診察の費用:
・クレジットカードの有無:有
都内には、24時間対応の動物病院の数が多くなっています。以前よりペットを飼い始める人が増えているのも、関係しているでしょう。そのため、急な誤飲などのトラブルの際にも、すぐに電話をして駆けつけることで大事に至らずに済むのです。
まとめ
犬においては、誤飲してしまったという事例が非常に多くなっています。何でも口に入れてしまうという習性を持っているため、飼い主は散歩中や室内に置くものに細心の注意が必要です。
誤飲しやすいものにはどんなものがあるのか、誤飲してしまったときにはどのような症状が現れるのかという知識を持って、愛犬の急な異変やトラブルにも対処できるようにしましょう。
その上で、24時間体制で診療を行なっている動物病院を探しておくことは重要です。症状を伝えてすぐに連れていくことができるので、症状が悪化する前に対処できるでしょう。また、自宅でできる対処法についても知っておくと、愛犬が誤飲してしまった際にも実践できます。犬は誤飲しやすい動物なので、そのことを理解した上で適切に対応していきましょう。日常生活の中では犬にとって危険なものがたくさん潜んでいるので、日頃から飼い主が意識しておくことも大切と言えるでしょう。
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