柴犬の平均寿命は15歳前後と割と長生き。ずーっと健康でいてくれたらいいのですが、それだけ長く生きていると人間同様に怪我や病気になる事もあります。
動物の医療が進歩し、昔だったら放っておかれたような病気も発見、治療ができるようになりかかりやすい病気なども知られるようになりました。
柴犬がかかりやすいと言われている病気や怪我について紹介していきます。
目次
柴犬がかかりやすい病気
皮膚系
柴犬って意外と皮膚トラブルが多いんです。その中でもかかりやすい2つの病気についてご紹介していきます。
アトピー性皮膚炎
人間同様犬にもアトピー性皮膚炎があります。皮膚のバリア機能が弱いワンちゃんに多くみられる病気です。ダニや、カビ、ハウスダストといったアレルギー物質が皮膚炎の原因になったり、遺伝によるものが要因としてあげられます。
①症状:皮膚の乾燥や赤み、かゆみ、発疹、脱毛等
②治療方法
・お薬:ステロイド系の薬が一般的ですが、その他にもかゆみの原因物質や赤みを抑えて症状を緩和させる薬があります。飲み薬とぬり薬が使われます。
・減感作療法適応:アトピー性皮膚炎はアレルギーの原因物質に過剰反応することで発生します。そこで、アレルギーの原因物質を体内に少しずついれて、アレルギー物質を慣らす方法で症状を緩和していく方法です。
・シャンプー療法:専用の薬用シャンプーを使って皮膚をきれいにします。またはマイクロバブルのお風呂に入る事も効果的だそうです。
④予防法:室内の場合、アトピー性皮膚炎の原因になり得る物質を取り除くことが予防につながります。そのためにはお部屋の掃除が欠かせません。空気清浄機もお部屋のハウスダスト除去に役立ちます。
食物アレルギー
①症状:体のかゆみや赤み、下痢・嘔吐、抜け毛等
②食物アレルギーの主な原因物質
グレイン系:小麦、大豆、トウモロコシ
タンパク質系:牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、ラム
乳製品、食品添加物など
③治療法:食事の見直し
まず、何でアレルギーが起こったのか、疑わしい食べ物を推測し、それを与えないことが一番です。何がアレルギーか分からない場合は動物病院などでアレルギー検査などもやってもらえるので、一度検査してみてもいいかもしれません。
また、アレルギーを引き起こしそうな食物を与える時は始めは少しずつ様子を見て与える事がいいでしょう。
目の病気
柴犬の目の構造上、高齢になるとかかりやすい「白内障」と「緑内障」についてご紹介します。
白内障
白内障とは、目(水晶体)が白く濁り、視力が下がってきて目が見えにくくなり、最悪の場合失明してしまう病気です。急激に悪くなるというよりは徐々に症状が悪化していく傾向にありますが、初期の段階から治療を始める事が大切です。
①症状: 目が白く濁る、物や壁にぶつかる、よくつまづく、恐る恐る歩く
②原因:加齢によるケースが非常に多いですが、その他に紫外線による影響や糖尿病、アトピー性皮膚炎などから引き起こされることがあります。若年齢での発症の場合は遺伝が要因になっている可能性が高いです。
③治療法:点眼やお薬で進行を送らせる方法と、外科手術があります。手術では、水晶体を摘出して、代わりとなる人工レンズを入れる方法です。
緑内障
緑内障は目の中の水分(房水)が増えるまたはうまく循環されずとどまってしまい、眼圧が通常よりも高くなることで支障が起こる状態の事をいいます。
①症状:眼圧が高くなり目がでっぱってみえる、白目の充血、目の傷みから目を細める、閉じたままでいる、なんだか元気がない、食欲がない、手や足を噛んで痛みを我慢している様子。視力の低下が起こり、最悪の場合は失明してしまいます。
②原因:遺伝的な要因があり、加齢によって引き起こされます。
③治療法:点眼や飲み薬と外科手術があります。点眼と飲み薬は眼圧を下げて症状を緩和します。手術は眼圧を下げる為のレーザーでの手術と、視力がもう回復しないと診断された場合には眼球を摘出する為の手術があります。
⇒緑内障は症状が進むととっても痛いので、初期段階で発見、治療が望ましいと思います。
いつもと様子がおかしかったり、目の様子がおかしい場合は動物病院へ行って診てもらいましょう。
耳の病気
外耳炎
外耳炎とは、急性と慢性があり、外耳に炎症が起きる事を言います。
①症状:外耳はワンちゃんの耳の見える部分から鼓膜までのあたりを言い、炎症によって赤くなったり、かゆみ、痛みが出てきます。また、耳垢が増えて耳のニオイが臭くなる事があります。
首をよく振る、耳をよく掻いたり、耳を触られるのを嫌がって怒ったりしたら外耳炎かも?と疑ってください。外耳炎が悪化すると耳道がふさがってしまったり、中耳炎も発症してしまう恐れがあります。
②原因:食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、マラセチア菌や細菌の感染、耳掃除のやりすぎ等
③治療法:点耳薬や塗り薬、飲み薬、耳の洗浄、症状が進んでいると手術になる場合もあります。
外耳炎は初期段階だと簡単な治療で済むので、放っておかずにまずは病院へ行きましょう。
循環器の病気
甲状腺機能低下症
甲状腺は、ワンちゃんの喉のあたりにあり、新陳代謝を促す「甲状腺ホルモン」が作られています、その甲状腺が何らかの理由で甲状腺ホルモンの分泌が少なくなってしまい、ホルモンが不足すると、ワンちゃんの体に様々な弊害が起こってしまう事を甲状腺機能低下症いいます。
①症状:なんだか元気がない、散歩を嫌がったりあまり動かなくなる、肥満、基礎代謝が下がる、脱毛、色素沈着、悲しそうな表情をしている、寒がりになる等の全身症状
②主な原因:リンパ球性甲状腺炎、突発性の甲状腺萎縮、クッシング症候群(副腎ホルモンの過剰分泌)による影響等
③治療:飲み薬で足りないホルモンを補います。甲状腺機能低下症は完治は難しいので、お薬は飲み続けないといけないようです。また、クッシング症候群など、原因が違う場合は、クッシング症候群そのものを治す為の治療が必要です。
心臓の病気
僧帽弁閉鎖不全
僧帽弁閉鎖不全は、心臓の血液循環が悪くなり、血中の酸素不足によって症状が徐々に出てくる病気です。高齢の柴犬ちゃんがかかりやすいと言われています。
①症状
初期症状:無症状→咳(ゼーゼーといった苦しそうな感じ)→肺水腫・チアノーゼ・呼吸困難
②原因:加齢・先天的な変形
③治療:飲み薬(血管拡張薬・血圧降下剤・利尿薬・強心薬等、心臓の働きを助けるお薬)の内服または外科手術が行われます。
⇒僧帽弁閉鎖不全は初期段階では特に症状がなく、病院での診察時に心臓の雑音で発見されます。病状が進んでいくと、血中の酸素が不足してきて、舌がチアノーゼ(紫色)になったり、時には不整脈で倒れてしまう事もあり、ワンちゃんがとても苦しい状態になってしまいます。予防も難しく、早期に発見し、飲み薬での治療で病状の進行を遅らせる事が治療の主な方法です。
関節の問題
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨とは、膝にある骨で膝のお皿とも呼ばれる所です。正常であれば滑車溝という部位にはまっているんですが、
そこから何らかの理由で外れてしまっている状態を膝蓋骨脱臼と言い、内側に外れる場合と外側に外れる場合があります。
①症状:スキップしているような歩き方、つま先立ちのようになっている、足をひきずる、
O脚やX脚になる、ジャンプをためらう、痛み
②原因:先天性、高い所からジャンプ、交通事故などの外傷
③治療:リハビリ、飲み薬(鎮痛剤)、外科手術
⇒膝蓋骨脱臼は命の危険がある怪我ではありませんが、脱臼の段階によって痛みや生活への支障をきたしてきます。脱臼の程度が軽い場合は脱臼が悪くならないように継続的にリハビリなどの治療をしていきます。重度の脱臼や先天性の膝蓋骨脱臼の場合は、自力では治らないので外科手術で治療したほうがいいようです。
股関節形成不全
股関節形成不全とは、その名の通り、股関節の形が正常でない場合を指します。その原因のうち半数以上は遺伝的要因ですが、後天的に発症することもあります。症状は4か月頃~1歳までの成長段階に見られるケースが多いです。
①症状:腰を振るように歩く、スキップやうさぎ跳びのような歩き方、座り方があまり運動をしたがらない、前足と後足の間隔が違う、横座りをする等
②原因:遺伝的要因、肥満、夏生まれより冬生まれに多い
③治療:リハビリ、体重制限、運動制限、飲み薬(鎮痛剤)、外科手術
⇒先天性以外の場合、肥満が股関節の形成に支障きたす要因になっています。股関節だけでなく、肥満はワンちゃんにとっていい事ではありません。おやつやフードの与えすぎに注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。もしかかってしまったらどうしよう、と少し不安になるような内容でしたね。全ての病気にかかるわけではありませんが、こういった柴犬のかかりやすい病気について知っておく事で、早期での発見につながればと思います。
どんな病気でも初期段階での発見、治療がベスト!
それぞれの病気でも書きましたが、まずは早期発見が肝心です!明らかに病気と分かる状態で連れて行った場合、治療が長期になったり、手術になったりする可能性もあり、そうなると愛犬への負担も大きくなります。また、ワンちゃん達が医療保険がありません。なので治療が大変になるとその分かかる費用も大きくなり、家計にも負担ですね。
一番愛犬の事を見ている飼い主さんだからこそ、ワンちゃんの様子がおかしいというのもいち早く気づくはずです。これはなんだかおかしいと勘が働いた時は是非病院へ行きましょう。
特に心配がなかったと分かっただけでも安心材料になりますし、精神衛生的にもいいと思いますよ。
かかりつけ医とセカンドオピニオン
まずおすすめはかかりつけの病院を決めておく事です。かかりつけのお医者さんがいると、ワンちゃんの健康状態や様子を把握してくれるので、何かおかしいなという時に頼れますし、気になる事があれば相談しやすいです。今ではネットでなんでも検索が出来て、病気についても何となくこれかな?と知る事ができますが、ひとりでネットを見てモヤモヤと不安を募らせるよりも、なんでも相談できるお医者さんに聞いた方が信頼できますし、安心ですね。
かかりつけの病院は相談しやすく、ワンちゃんと相性のいい病院、お医者さんを是非見つけましょう。
また、なかなか症状が治らず、本当に治療があっているのか?という疑問を抱いた場合は、セカンドオピニオンを検討してみて下さい。かかりつけの病院が合った方がいいとは思いますが、万が一治療が合わず、どんどん愛犬が弱っていくという事もあるかもしれません。
その場合、他の病院で診てもらう事で実は違う原因が見つかったり、新たな治療法を提案してくれるかもしれません。セカンドオピニオンの意見を聞いた上で何がワンちゃんにとって最善かを決める材料にきっとなるはずです。
ペット保険に入って万が一に備えよう
ワンちゃんの病気はいつ何時起こるか分かりません。備えあれば患いなし、ペット保険に入っていれば急な出費をカバーできます。
人間の保険同様、ワンちゃんも年齢が若い頃に入っておいた方が保険料が安いようです。
柴犬の飼い主さんにおすすめするペット保険3選
今回は通院・手術・入院の補償がついたプランで、「3歳の柴犬」の場合の月額を見積りしてみました。
・FPCのペットフリーほけん
月額:1590円/基本の補償額:50%補償
年間補償限度
支払限度額 | 限度日数・回数 | |
通院 | 12,500円/日 | 30日 |
入院 | 125,000円/回 | 3回 |
手術 | 100,000円/回 | 1回 |
https://www.fpc-pet.co.jp/lp2/
・楽天のペット保険
月額:1,120円/基本の補償額:70%
年間支払限度額:70万円/支払限度回数なし
最大500万円の賠償責任特約がある
https://www.rakuten-ssi.co.jp/lp2.html
・アクサダイレクトのペット保険
月額:1,780円/基本の補償額:50%
24時間365日の獣医師へのペット健康相談サービス:無料で無料相談が可能
最大1000万円の賠償責任危険補償特約がある
https://www.axa-direct.co.jp/pet/
柴犬ちゃんは家族の一員です。少しでも、長生きしてほしい、健康でいて欲しいというのが飼い主としての願いですよね。食生活や日々の健やかな過ごし方が健康な体の資本となってきます。ですが、高齢になってくるとやはり体に色々と支障が出てくるのは仕方のないことだと思います。もし病気や介護状態になったとしても愛犬としっかり向き合い、最後まで責任と愛をもって愛犬を接してほしいと切に願います。
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