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ハンパないって!芸ができる柴犬の破壊力
SNSや動画サイトを見ていると、しばしば流れてくる柴犬の特技動画。これがもう本当、破壊力がありすぎて、いくらでも見ていられますよね。「柴犬を飼ったら、同じような芸をさせてみたい」という人や、「他の柴犬にできて、うちの柴犬にもできないはずがない!」と思っている人。そんな人たちのために、今回は「柴犬を芸達者にするためのしつけの基本」を紹介したいと思います。
芸や特技の前に、基本のしつけコマンドをマスターを
「コマンド」とは?
「コマンド」の日本語での意味は、「命令」。コンピュータ関連の用語や、ゲームの操作などにもコマンドというキーワードが登場します。犬にしつけをする際のコマンドとは、「犬に特定の行動をさせるための命令の言葉」のことです。
基本のしつけコマンドの必要性
犬に対するコマンドは、 「しつけ系」「飼い主とのコミュニケーションを深める系」「芸・特技系」といった種類に分けることができます。「うちの柴犬に特技を覚えさせたい」と焦る前に、まずは基本のしつけのコマンドをマスターさせておきたいところです。
家の中で柴犬を飼う場合には、しつけのコマンドが特に重要になってきます。ご飯を食べる前や、家にお客さんが来た時には「おすわり」ができていてほしいところですよね。
外にお出かけに行くときにも、基本のしつけのコマンドは大切です。公園やドッグランにお出かけするときには「来い」のコマンドが必要ですし、カフェやレストランに連れていくときは「マテ」ができればとても安心感があります。
ワンちゃんと人間を分け隔てるハードルが下がっている現代。ペットも人間も社会の場でお互い気持ちよくいるためには、まずは基本のコマンドを教えてあげることから始めましょう。
教えるのは、優先順位の高いコマンドから
ワンちゃんは人間の言葉を完全に理解できるわけではないですから、一度にたくさんのコマンドを教えようすると、混乱してストレスを感じさせてしまいます。
犬のコマンドには3種類あると先ほど触れましたが、優先順位としては、「しつけ系」→「コミュニケーションを深める系」→「芸・特技系」 の優先順位で教えてあげるとGoodです。
犬が家にやってきたその日に「お手・おかわり」を試したくなる気持ちも分かりますが、実は「お手」は飼い主とワンちゃんのコミュニケーションのためのコマンドなので、しつけのコマンドほど優先順位が高いわけではありません。おすわり、まて、ふせ などの基本コマンドを習得してからお手を教えてあげましょうね。
柴犬にコマンドをしつける原則と教える時期
まずは飼い主と信頼関係を築いてから
柴犬にコマンドを教えるには、どんな時期がベストなのでしょうか?犬にしつけをする前提として、飼い主との信頼関係が出来上がっている必要があります。知らない人から突然「お手」って言われても、どうしたらいいか分からなくなってしまいますよね。
柴犬はとても忠誠心が高い犬種です。日ごろのスキンシップやコミュニケーションを繰り返す中で、「この人が飼い主だ」と分かってもらうことが大切です。家族で飼っている柴犬にコマンドを教えるときは、はじめのうちはコマンドを教える人を一人に決めておいた方がうまくいくことが多いです。
家の環境に慣れてから
柴犬以外の犬についても言えることですが、犬がコマンドを身に着ける際には「場所・環境」も重要なポイントになってきます。特に柴犬は、古来から強い縄張り意識を持っているので、家の環境を受け入れさせて警戒心を解く必要があります。コマンドを覚えてもらうには、柴犬が飼い主に対して心を開き、リラックスできる場所でトレーニングすることが大切なのです。
成犬になっても特技は増やせる
人間の子供を育てる際、「できるだけ教育は幼いうちに」と焦ってしまいがちです。確かに、ワンちゃんにしつけのコマンドを覚えさせるのは、早いうちに覚えさせるに越したことはありません。けれども、特技や芸を覚えさせるのはそれほど焦る必要はありません。
いつも一緒に遊んでいる知り合いの柴犬(豆柴)が「ふせ」や「のび」を覚えたのは、1歳の誕生日を過ぎた頃です。最近は、「ばーーん」って言って死んだふりをするコマンドを練習中です。(笑)
成犬になってからも特技や芸を覚えさせることはできるので、ある程度大きく成る前に、基本的なしつけがおろそかにならないようにしたいところです。
柴犬の特技をトレーニングする方法とコツ
一度のトレーニングの時間は長くて15分
人間にも集中力の限界があるように、犬にもトレーニングに集中できる時間には限界があります。一回のトレーニングの時間は、10分程度を1セットにするようにしましょう。15分を超えてしまうのはNGです。
しつけトレーニングを少し休憩したらまた再開しても大丈夫かな…という気もしますが、例えば昼にトレーニングをしたら、次のトレーニングは夜や次の日にするようにしましょう。
コマンドのトレーニングに集中できる環境づくり
しつけをするときは、ワンちゃんが気の散るようなものはできるだけ排除することが大切です。犬は音に敏感なので、テレビを消したり、外の音が入らないように窓は閉めるようにしましょう。
散らかっているおもちゃも、犬の気が散る原因。トレーニングするときは、おもちゃを片づけてトレーニングに集中できる環境を作ってあげましょう。
まずは決まった場所で確実にできるように
家で飼っている柴犬の場合、トレーニングの場所を毎回変えるのはNGです。たとえば「おすわり」をしつける際に、床がカーペットかフローリングかどうかで、ワンちゃんがおすわりするかどうかも変わってきます。
まずは、毎回トレーニングする場所の条件を同じにして、決まった場所で確実にコマンドを実行できるようなトレーニングをしましょう。その後、練習の成果を色々な場所で再現できるようにしていきましょう。
コマンドの言葉を統一する
犬にコマンドを教える際は、1つの行動に対するコマンドの言葉は統一する必要があります。例えば「おすわり」をさせたいときに、かける言葉が「おすわり」だったり「Sit」だったりして毎回変わると、命令される犬の方も混乱してしまいます。
家族で犬を飼っている時は、コマンドを統一するように話し合っておくことが必要です。また、他の家の犬と遊ぶときは、安易にコマンドを使うのも避けましょう。自分の家のコマンドと他の家のコマンドが異なっている場合があるからです。
コマンドの言葉は、他の言葉と区別できるように
逆の手でお手をさせる「おかわり」というコマンドと、くるりと一周する「おまわり」というコマンドは、母音も似ているのでワンちゃんにとって混乱してしまう可能性があります。
知り合いの豆柴の場合は、犬に一周させるときは「おまわり」ではなく「くるりん」というコマンドになっています。「おまわり」はなんだか警察みたいなので、「くるりん」の方がコマンドとしてなんだかかわいいですよね。
ワンちゃんにとって区別しやすい、オリジナルなコマンドを教えてあげたら一緒に遊んでいてとても楽しめると思います。
コマンドの教え方。コマンドの基本「おすわり」を例に
では具体的に、コマンドはどのような方法で柴犬に教えたらいいのでしょうか。コマンドの一番の基本である「おすわり」を例に、コマンドの教え方を解説したいと思います。「おすわり」は、食事の前や来客があった時、柴犬を落ち着かせたい時などに重要なコマンドです。
おすわりを教える流れ
犬にとっての「おすわり」の姿勢は、野生の犬が自然にする動作ではありません。そこで、おやつに注目させて、おやつを移動させながら犬が座るような姿勢をとらせます。
エサをうまく使いながら動作を教えるというのは、多くのコマンドに共通するトレーニング方法です。
1.その犬が好きなおやつを指先でしっかり持つ。この時、犬に食べられないように注意。
2.犬の目の前でおやつを動かしながら、犬がおやつに注目していることを確認する。
3.おやつをゆっくりと犬の顔の上に持ち上げ、犬の腰が自然と落ちるようにする
4.腰が落ちて「おすわり」の姿勢が完成したら、褒めておやつをあげる
「おすわり」の呼びかけでおすわりをさせるには?
今の方法では「おすわり」の姿勢をさせることに成功しましたが、「おすわり」という言葉と座る行動が結びつけられたわけではありません。
おすわりという声掛けで座ってもらう方法を紹介します。
さっきの方法で、犬が座る直前の状態を作り出します。そして、犬の腰が落ちて座る状態になる直前に「おすわり」という声をかけます。これを繰り返すことで、犬の中で「おすわり」というコマンドと「座る」という動作が結び付けられるのです。
コマンドの定着率を分ける「ほめ方」
ワンちゃんがトレーニングで成功した時に「ほめるのが重要」と強調されています。けれども、実際にはどんなほめ方をしたらいいのでしょうか?ほめ方によって、コマンドの定着率が変わってくる場合があります。
おやつの選び方
トレーニングに使うおやつの量は、一日の摂取カロリーの目安に収まるようにしましょう。低カロリーでヘルシーなおやつがおすすめです。
おやつの量は徐々に減らし、スキンシップに移行
犬はとても賢いので、コマンドのトレーニングを積んでいけば、そのうち「あたりまえ」にコマンドができるようになります。あたりまえにできるようになったら、毎回ご褒美のおやつを与えるわけにもいきません。
そんなときは、スキンシップをしながら、「よくできたね」「えらいね」とたくさん褒めてあげるようにしましょう。
ここで重要なのが、「そのワンちゃんの名前は呼ばないで褒める」ということ。なぜなら、ワンちゃんの名前自体が、「名前を呼ばれたら行く」というコマンドだからです。ワンちゃんが混乱しないように、名前は極力使わずに、ポジティブな言葉をかけながらスキンシップをとってあげましょう。
なるべく早めに教えたい「柴犬のしつけの基本」コマンド
待て / よし
エサを目の前にして、指示があるまで食べるのを我慢する「待て」のコマンド。待てが身についている柴犬は、「しっかりしつけされているなぁ」と周りにとても好印象ですよね。
待てを覚えさせるには、おすわりを覚えている必要があります。おすわりをさせた状態で、皿に入れたエサを、エサを手で隠した状態で目の前に置きます。そして、エサを隠した手を徐々に外しながら、「待て」と声をかけながら食べないようにさせます。もしエサに食いつこうとしたら、再び手でエサを隠して食べられるのを防ぎます。これを繰り返すというのが、「待て」の大まかなトレーニング方法です。
待てができたら、「よし」と言いながらエサを食べるように促すことで、次第に覚えていくようになります。
来い
「来い」のコマンドができるためには、おすわり・待てを覚えている必要があります。
エサの前で「待て」をさせた状態で、エサを持ちながら少しづつ犬から距離をとります。そして、ある程度のところで「来い」と呼びかけ、エサを食べるように促します。もし、自分のところに来てくれたら、褒めながらエサを食べさせてあげて下さい。
「来い」というコマンドは、「おいで」またはその犬の名前にしてもいいと思います。
ふせ
お客さんがピンポンを押したときに、ワンちゃんは音に敏感なので玄関に飛び出していきます。こんなとき、玄関先で犬にリラックスさせて、お客さんをびっくりさせないようにするために有効なのが「ふせ」です。
ふせを覚えさせるには、まず、おすわりの状態をつくります。そして、おやつを鼻先に見せながら、徐々に床の高さまで下げていきます。犬の顔が床につきそうになったら、前脚や後ろ脚を開いたり、上半身を落とさせたりして「ふせ」の格好になるようにします。そして、ふせる姿勢が完成したらおやつを与えてあげます。
人気者への第一歩!柴犬のための特技・芸 一覧
ここまでは柴犬の基本的なしつけコマンドを紹介してきましと。ここではコマンドの応用編として、柴犬に覚えさせたい「特技・芸」の一覧を紹介します。それぞれの特技をトレーニングする方法は、またの機会に紹介させていただきます。
- おて/おかわり
- くるりん(まわる)
- 逆くるりん(逆にまわる)
- バーンで死んだふり
- 二足で立った状態でハイタッチ
- おすわりからのハイタッチ
- おもちゃを運んでくれる
まとめ:特技が増えるほど、柴犬がもっと愛おしくなる
人間の赤ちゃんを子育てをしていたら日々成長を実感できるように、柴犬を飼っていても、特技やコマンドが増えることを通して日々成長が実感できるようになります。
自分が声をかけたコマンドに対して、その通りのことをやってくれる瞬間は、「言葉を分かってくれた」と嬉しくなる瞬間であり、心がつながっていることを確認できる瞬間でもあります。
日常のふとした瞬間から、「うちの子って、こんなこともできるのか」と発見することだってあります。もし、おたくの柴の新しい特技を発見したら、たの柴まで是非とも教えてくださいね!
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