柴犬のしつけって難しいの?しつけの始め方から問題行動の治し方まで徹底解説。

柴犬と言えば、凛とした立ち姿に、豊かな表情、日本の風景がとっても似合う、日本人にとても馴染み深い犬種ですよね。

飼ってみたいなと憧れている方も多いはず。

もしくは、もう既に買うことは決まりました!という方もいるでしょう。

そんな時に気になるのが、柴犬の飼いやすさ。

外飼いであれば、粗相したり、吠えたりということはそこまで深刻になる必要はありません。

けれど最近では、室内で飼いたいという方も多くなってきました。

トイレはきちんと教えられるだろうか?吠えてうるさくて、お隣から苦情が来ないだろうか?

日本の狭い家屋事情だと悩みは尽きません。

それでも、やっぱり柴犬はかわいい!飼いたい!そう思ったなら、しつけをしっかりすることを決心しましょう。

柴犬は賢い犬種です。きちんと躾ければ、楽しい柴犬との生活が待っています。

柴犬のしつけって難しい⁉

柴犬の習性を知ろう

さあ、柴犬をしつけよう!と思っても、何から始めていいのかわかりませんよね。
まずは、柴犬の習性を知ることから始めましょう。

しつける上で知っておきたいのは

・柴犬の起源
・柴犬が生きてきた環境
・吠える習性がある
・嬉しいのはどんな時か
・言う事を聞かせるにはどうすればいいのか

上記5点をこれから解説していきますね。

柴犬ってそもそもどういう犬?

柴犬は、なんと縄文時代から人間と暮らして来ました。日本で飼われているわんちゃんの中でも、その歴史は1,2位を争う古さです。

縄文時代の貝塚で、人と一緒に埋葬された柴犬の祖先が出土したことがあります。

そのころから柴犬は人間と一緒に生活していたんですね。

また、柴犬は日本犬として登録されており、意外や意外「天然記念物」となっています。

その理由は、明治時代に外来種の犬がたくさん輸入され、次第に純粋な柴犬の数が少なくなってきてしまいました。

そんな中で、日本の犬種である柴犬を保護しようという動きから、天然記念物に指定されたのです。

柴犬ってどこで何してたの?

その昔、柴犬は狩猟犬として人間と生活を共にしていました。

柴犬は、山岳地帯で獲物である小動物や小鳥などを追いかけながら生活をしていたのです。

今でもその習性が残る柴犬は、走りまわるのが大好き。十分な運動量を確保してあげたい犬種です。

柴犬が吠える理由は?

犬は人間と生活をしてきた中で、「吠える」ということも求められて来ました。

特に狩猟犬は、獲物を追い詰める時に吠えて獲物を委縮させるという目的がありました。

また、不審な侵入者があったあったときにも飼い主に知らせるという役目を担っていたのです。

今でこそ、吠えることは求められなくなりましたが、かつては犬として吠える理由がきちんとあったのです。

柴犬は何をされると嬉しい?

柴犬がされると嬉しいことを知っておくことは、躾ける上でとても重要です。

柴犬が命令通りのことをした時に、嬉しいと思うことをしてあげると、またその行動を繰り返そうとするからです。

一番に思いつくのは、おやつですね。おいしいおやつをもらえるのはこの上ない喜びでしょう。

また、人間と古くから生活をしてきた柴犬は、ご主人を喜ばせることが大好きです。ですから、良いことをしたら大げさなぐらい褒めてあげることがとっても大事です。
ご主人を喜ばせるために、また同じ行動をしようとするなんて健気ですよね。

どうしたら言う事を聞いてくれる?

柴犬は、主従関係をとても大事にする性格です。柴犬に言う事を聞かせるには、飼い主をリーダーだと思ってもらう必要があります。

その為には、信頼関係を築くことがとても重要です。叱る時はきちんと叱り、褒める時はきちんと褒める。

そうやって首尾一貫した態度で接することで信頼関係が生まれるのです。

逆に、気分で怒ったりすると、この間は怒られなかったのに‥‥と柴犬の混乱を招いてしまいます。

そうすると、だんだんと飼い主の言う事を聞かないようになってしまうのです。

言う事がいつも違う人のことを信頼できなくなるのは人間も同じですよね。

 

柴犬は気難しい性格だと言われることもありますが、上記の特性を生かしてしつけていけばきっといい子に育ってくれるはずです。

よくある質問!いつから柴犬をしつければいいの?

さて、ここまではしつけを行う際には、柴犬の習性を利用してしつけるといいよ、というお話をしてきました。

なんとな~く、こうすればいいのかな?なんてイメージがついたのではないでしょうか。

そして、これから柴犬を飼おうと思っている方や、飼い始めの方がよく疑問を持つのは、いつからしつけを始めればいいのか?ということです。

あまり早くから始めても理解できないのでは?という懸念を持たれる方も多いかと思いますが、犬は人間の10倍のスピードで年を取ると言われています。特に初めの1年はその成長スピードが早く、犬の1歳だと人間で言うと高校生ぐらいになっているのです。

ですから、子犬のころにしつけを始めても早すぎるということはありません。

しつけの大切なポイントは社会化期

一般に、犬が社会性を身に付け始める時期のことを、社会化期と言います。

生後4週~13週ごろがその時期に当たります。この頃は、親や兄弟と一緒に暮らしながら、犬社会のルールを学んでいくのです。
例えば兄弟と遊びながら噛んだり噛まれたりする中で、これぐらいなら痛くないな、怪我をしないなということがわかってきます。

この時期は犬社会のルールを学ぶ重要な時期なので、本来は親兄弟と生活するのが一番いいのです。

しかし、実際はそれより早く親元を離れてペットショップで売られてしまう子犬もいます。

そのような場合は、社会性を身に付ける時期だということをよく理解して、しつけを始めましょう。

その頃の柴犬は甘噛みをすることがよくあります。そんな時は、噛まれたら痛いんだよ、ということをわからせてあげる必要があります。

その方法はいくつかありますので、詳しくは後述していきますね。

社会化期後(14週以降)に柴犬を迎え入れる飼い主さんは、おうちに来た時からたくさんコミュニケーションを取り、簡単なしつけを始めていきましょう。

名前を覚えさせる、名前を呼んだら飼い主さんのところに来る、と言ったような簡単なことからで大丈夫です。

また、だいたい生後14週頃にワクチン接種が完了するので、お散歩に連れ出して外からの刺激を与えるといいでしょう。

この時に色々な経験をさせてあげることで、ストレスに強い柴犬になっていきます。

色々な人に合ったり、抱っこしてもらったり、車に乗せたり、お散歩で階段を登ったり下りたり、ささいなことですが、子犬にとっては全てが初めて!

この”初めて”をたくさん経験させてあげると、人に触られることに慣れて人を怖がらなくなったり、車でお出掛けができたり、新しい環境でも不安を感じることがないりっぱな犬に成長していきます。

このように、子犬の時期はいい子に育つかどうかとても大切な時期です。

楽しい柴犬との生活を送るためにも、根気強くしつけをしてあげてくださいね。

それでは、本題!柴犬をしつけてみよう!

ここまでは、しつけは飼い主との信頼関係を築くことが重要で、子犬のころから始めると効果的、という話をしてきました。

いよいよ、具体的にどうやってしつけをすればいいのか、説明していきます。

柴犬との信頼関係(主従関係)の築き方

上下関係を重んじる柴犬は、飼い主さんの言う事にはとっても従順ということは前述しました。

主従関係は信頼関係を基礎に築かれます。では、どうやってそれらを築けばいいのか。

それは、

1.ルールを決めて、ブレない態度で接する

2.犬の欲求を理解する

の二点に集約されます。

まず、「1.ルールを決めて、ブレない態度で接する」ですが、家族で柴犬を飼っている場合などに、人によって叱るポイント等が違うと犬は混乱してしまいます。お母さんがキッチンにいる時は入れてくれないのに、子供たちは入れちゃうなど、その家のルールが一貫していないと何が正しいのかわかりません。

基本的なルールを家族でしっかり話し合い、家族全員でしつける、という姿勢を取りましょう。

また、生活を柴犬メインにするのではなく、あくまでも人間の生活をベースに柴犬を飼っているというスタンスでいましょう。
柴犬のご機嫌を量ったり、媚びたような態度は、敏感に察知されます。
構ってあげられないときは、構わない。その代わり、時間ができたらめいいっぱい遊んであげる、というふうにメリハリをつけましょう。

次に、「2.犬の欲求を理解する」です。犬は何かを要求する時に、吠えたり、足をかけたり飼い主さんの気を引こうとします。
なぜ、その行動をしているのか。何を求めているのか。それを察知してやることが重要です。

お腹がすいたのか、水がなくなってるよということを訴えたいのか、それともただ甘えているだけなのか、よく観察してあげましょう。
毎日一緒に暮らしていると、なんとな~くパターンがわかってきます。

無駄吠えをすると思われているわんちゃんも何かしら理由があります。
その理由を理解し、解決してやれば無駄吠えをするわんちゃんではなくなります。

このように、家庭のルールを覚えさせれば、人間も柴犬も安心して暮らせる我が家になります。
そして、柴犬の要求を理解し、発散させてやることができれば、そこに信頼関係が生まれてくるのです。

次に、具体的なしつけ方を解説していきます。

名前を覚えさせる、オイデができる

まずは、自分の名前を覚えさせることから始めましょう。名前を呼んで、飼い主さんの方を見たら褒める、を繰り返します。

おやつをあげてもいいですね。

次に、名前を呼んで「オイデ」と言ったら、飼い主さんの方へ来るということを覚えさせます。この動作は、外出時に柴犬を守る大切なコマンドです。例えば、ドッグランに行った時に他の犬を追いかけ回してしまったり、興奮がして走りまわってしまった時に、「オイデ」で一度飼い主さんのもとへ戻らせて落ち着かせることができます。

「オイデ」も、名前を呼んで飼い主さんのところへ来たら、ほめておやつをあげましょう。

決まったところでトイレができる

室内飼いの場合、トイレトレーニングは必須ですね。根気強く教えてあげましょう。

1.まずは、排泄をしたそうにしたらトイレシートがある場所へ誘導します。
2.トイレシートの上で排泄ができたら、褒めてあげる。

を繰り返します。失敗することももちろんありますが、そんな時は叱ってはいけません。
排泄自体が悪いことだと思ってしまうからです。
もし、飼い主さんがトイレシートを設置した場所ではないところで何度か排泄した場合は、そこにもトイレシートを置いて様子を見ましょう。
だんだんわんちゃんの中でここがトイレ、と定まってくるので、決まるまでは臨機応変に対応していけば大丈夫です。

柴犬は綺麗好きなので、意外と簡単にトイレトレーニングができたという飼い主さんもいます。
トレーニングを始めたばかりの頃は失敗もあるかもしれません。
ですが、それも成長の過程です。焦らず、気長に付き合ってあげましょう。

散歩はリーダーウォークを覚えさせよう

飼い主さんも柴犬も楽しみなお散歩。ここでも、しつけをすれば安全で楽しいお散歩が叶います。
リーダーウォークとは、飼い主主導のお散歩です。
柴犬が自由にあっちに行ったり、こっちに行ったりするのではなく、飼い主さんの行く方向に従ってお散歩をするという方法です。

リーダーウォークでお散歩をする理由は、主従関係の構築する為はもちろんですが、柴犬の安全という点でも非常に重要です。
車通りが多い場所や、人通りが多い場所を通らなければならない場合に、リーダーウォークができない柴犬だと、急に走りだしたり、飛び出したりした時に、飼い主さんも咄嗟に反応できないかもしれません。

そんな危険を回避するために、リーダーウォークは幼いころから覚えさせたい躾のひとつです。

しつけに必須!柴犬の正しい叱り方

ころころかわいい柴犬の子犬を叱るのは、心が痛みますよね。
でも、これも、飼い主と柴犬の幸せな生活のために必要なことです。
心を鬼にして、いけないことはいけない、と教えましょう。

では、どのように叱るのが効果的なのか、説明していきますね。

叩くしつけは効果あるの?

結論から申し上げますと、叩くしつけは効果がありません
一時的に言う事を聞くようになるかもしれませんが、それは力で押さえつけているだけです。

叩かれることで恐怖心を覚え、飼い主に対する信頼を失っていきます。

また、後述する問題行動を引き起こす心の病を誘発してしまう可能性もあります。

力に頼らず、柴犬ときちんと向き合いましょう。

叱る時は短い言葉で

叱る言葉は、家族で一つに決めましょう!

「コラ」、「ダメ」何でも構いませんが、短い言葉でわかりやすく、はっきりと。
怒っているよということを伝える為に、目を見て「ダメ」と言います。

柴犬が目を逸らすまで、見つめましょう。怒られている、ということは声色、目で理解します。
そして、その後正しいことをしたら褒めてあげましょう。

甘えには無視で対処

吠えたらおやつをもらえた。構って欲しくて飛びついたらおやつがもらえた。

その場しのぎのおやつは、犬の問題行動へとつながってしまいます。

吠えたら、早くおとなしくして欲しいからおやつをあげる、ではなく無視をしましょう。
根競べですが、背をむけてひたすら無視をしてください。

吠えても、飛びついてもおやつはもらえないよということを理解させなければなりません。

あくまで、おやつは良いことをした時に与えるようにしましょう。

柴犬の問題行動

柴犬は賢い犬種ですが、問題行動を起こしてしまう時があります。その原因を紐解いてみましょう。

食事中の威嚇

食事中の柴犬を触ろうとすると唸る。近づくと威嚇される。

このような行動は、柴犬の習性から食事を奪われると思い威嚇しているのです。

人が近づいてきても食事を取られることはないよ、ということをわからせることが必要です。
そのわんちゃんの好物をお皿に追加してあげる、ということを繰り返していきましょう。

噛み癖

噛み癖には2種類あります。

ひとつは、歯の生え代わりの痒さからくる甘噛みです。
この場合は噛まれたら、叱り、無視をするということを繰り返してみましょう。
成長とともに次第に甘噛みはなくなってきますが、噛むことはいけないことだということも教えなければなりません。
ここで叱ることを怠ると、成長しても噛み癖が治らなくなります。

もうひとつは、警戒心からくる噛みつきです。
この犬は触ると噛むんじゃないか、という緊張は犬に伝わります。
その緊張が、犬の警戒心を煽り、噛むという行動に出るのです。

また、首回りや顔周りを触られるのを嫌がる柴犬も多くいます。
それらの柴犬は、噛もうとしたら人が手を引っ込めたので、嫌な時は噛むと覚えてしまったのです。

これらの警戒心からくる噛み癖は、人と接することに慣れさせる、噛むと嫌なことがあるということを覚えさせるということが重要になってきます。

脳疾患からくる問題行動

様々な問題行動の解決策を試してみたが、どうしても治らない。

そんな時は、病気を疑ってみてください。

犬にも、うつてんかんという病にかかることがあります。
長年、わんちゃんの問題行動に悩んだ飼い主さんが、薬を飲ませることで問題行動が収まったという事例もあります。

一度、獣医の診察を受けてみるという選択肢も考えてみてくださいね。

 

まとめ

柴犬のしつけと一言で言っても、柴犬ごとに性格が違い、これ!という絶対のものはありません。

けれど、ひとつ言えるのは、何度も間違えることはあるかもしれませんが、愛犬を信じて根気強くできるのを待ってあげることが重要だということです。

一回言って一回でできるようになる子はいません。成長してしまうと、失敗する姿もなつかしく思うものです。

しつけの時期も、大切な愛犬との思い出と思って乗り越えてくださいね。

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