吠え癖とは、わんちゃんが過度に吠えてしまう事を言います。無駄吠えとも呼ばれていますが、なぜそんなに吠えるのでしょうか。吠え癖の原因について、柴犬の性格も踏まえてご紹介します。
柴犬が吠える理由は?
柴犬の性格から見る吠える理由:威嚇吠え
まず、柴犬の性格から吠えすぎる傾向にある吠え方についてお話します。
柴犬は飼い主にとても忠実で、自分のテリトリー内に飼い主以外の相手が入ってくると威嚇しがちです。柴犬は警戒心も強く、怖がりなので余計に吠えてしまいます。
番犬としてはとても頼もしいとも言えますが、例えばご近所の人たちや郵便局の人、新聞配達の人やガス会社、電力計測に来る人などお家を訪れる様々な人に対しても「何者かっ!ここから出ていけーーー!!」と言わんばかりに威嚇してしまう事もあります。
何か要求をしている時
・トイレに行きたい
・ただ単に暇!構って欲しい
・散歩に連れていって欲しい
・お腹が空いた、ご飯ちょうだい
⇒この場合はその欲求を満たしてあげる事で吠えるのは収まります。ですが、何でもかんでも要求に応えてしまうと愛犬はわがままになって、吠えれば何でもしてくれるんだ!と学習してしまい、その結果吠え癖が直らないという悪循環に陥ってしまいます。なのでこの要求はわがままだったり、応える必要がないなと思った時は「無視」をしてみましょう。基本的に主従関係として犬は飼い主のペースに合わせるべきなので、相手(犬)のペースになってしまうと主従関係が崩れてします原因にもなるので、ここはきちんとこっちが上でこちらに合わせるんだという姿勢を貫いてください。
ストレスが溜まっている
特に遠吠えや夜鳴きで考えらえるケースです。ちゃんと毎日ワンちゃんとコミュニケーションをとっていますか??散歩と食事だけやっていればOKと思っていませんか??
飼い主さんに構ってもらえなくて寂しい想いをしていると、何とか飼い主さんの気を引こうとして遠吠えをしてしまう事があるんです。遠吠えってどこか切ない、寂しい感じがしますよね。それは本当に遠吠えしている犬の感情が洗わているのではないでしょうか。
また、十分に運動が出来ていない時も吠え癖につながります。犬はお昼間に結構な時間を寝て過ごしています。なので体をあまり使っていないと夜にまだ元気が残っていて吠えてしまうんです。
ストレスの要因が何なのか、理由を突き止め、その要因を解消することでストレスによる遠吠え、夜鳴きは収まります。
分離不安
分離不安は問題行動の一つで、飼い主さんから離れると不安になり過度に吠えしまうことがあります。飼い主さんの留守中に吠えるのであまり気づきにくく、ご近所の方からその事実を知るという事も多いそうです。ある程度で吠えるのを止めてくれたらいいのですが、いつまでたっても吠え続けてしまうワンちゃんは本人も辛いですがずっと聞いている周りも辛いものです。この場合は分離不安を克服させることが過剰な吠えを辞めさせることにつながります。
加齢による認知症やボケ等
ワンちゃんが高齢になってくると体や心に支障が出てきます。例えば、目が悪くなってきたり、耳が遠くなってきたりすると不安になりその不安から吠える事もあります。また、しつけがしっかりしていたワンちゃんでも段々と抑制が効かなくなり、わがままになってしまう事もあるそうです。そういった場合に色々と要求して吠えたりもします。認知症になってしまった老犬は、昼と夜が分からなくなって夜泣きにつながる事もあるそうです。
シニア犬は病気やケガなども引き起こしやすいので、痛みから吠えている場合もあります。
体調がおかしい、悪い
老犬だけでなく子犬や成犬も然り、体調がどこかおかしいと痛くて吠えます。いつもと様子がおかしいぞと思った時は、どこか怪我をしていないか、病気になっていないか調べてみましょう。分からない場合は動物病院などで診てもらってもいいと思います。
吠え癖はご近所トラブルの原因にもなる
特に問題となるのが犬の夜鳴きです。威嚇吠えなどはその対象がいなくなると収まりますが、夜中の遠吠えなどはなかなか泣き止みません。そうなるとご近所の方に非常に迷惑をかけてします。あまりに夜鳴きがひどいと、ご近所づき合いにもヒビが入ってしまいますね。直接クレームを言ってくれるならまだしも、陰口をたたかれている事もあると考えただけでも辛いですね。嫌がらせを受けたりトラブルにならないようにやはりしつけが必要です。
吠え癖がつかない為に、子犬の社会化やしつけがとても重要
ここからは、吠え癖をつけさせない為の第一歩、子犬の頃にやっておきたい事をご紹介します。
子犬でも差がある社会性
上で解説した「威嚇吠え」が過度にならない為にする訓練は「柴犬に社会性を身につける」事です。社会化は飼い始めの段階で子犬の環境の違いで差があります。
ブリーダーさんの場合は生後2ヶ月は親兄弟としっかり過ごさせ、社会性を身に着けてから飼い主さんに引き渡すというケースが多いかと思います。
ペットショップで買う場合や早い段階で家族と引き離された場合は社会性が身についていないので、その場合は尚更社会性を身に着ける訓練が必要です。
社会性をつける訓練
・人に慣れさせる
まずは人に慣れてもらう為に、色んな人と交流させてあげましょう。例えば子供やおじいちゃんおばあちゃん、ご近所の人等。お家を訪れる人に触ってもらったり、抱っこしてもらったり、遊んでもらったり、おやつをもらったりして「人は怖くないんだよー」という事を体験させてあげましょう。それこそ郵便局員さん、新聞配達の人や宅配のお兄さんなどお家に来ても問題ない人達にも挨拶がてら触ってもらえると威嚇吠え等も減るかもしれませんね。
・他の犬と触れ合う
せっかく柴犬ちゃんを飼うんだったら、他のワンちゃん達とも仲良くしたいし、ワン友さんを作りたいですよね?そのためにも他の犬と接し、慣れさせる事もたくさんしてあげましょう。犬同士のコミュニケーションは人では教えてあげられません!他のワンちゃんと接する事で、親兄弟に教われなかった犬社会でのコミュニケーション方法は習得できるでしょう。怖がっているからと他の犬を避けてしまうといつまでたっても犬同士の社会性は身につきません。犬界のコミュ障にならないように、是非たくさんのワンちゃん達と遊ばせてあげましょう。ドッグランなどではたくさんのワンちゃんに出会えるので行ってみるのもいいと思います。
・物に慣れさせる
生活の中にはたくさんの音や物があふれています。例えば、お散歩の時には行き交う自動車や自転車、バイクなど。お家の中では掃除機やドライヤー、インターホンの音等、突然鳴る音や物にワンちゃんも驚いてしまいますね。こういった生活音を早いうちから体験させて徐々に慣れさせていきましょう。はじめはきっと驚いて怖がると思いますが、「大丈夫だよー、怖くないよ」と教えてあげる事が大切です。
成犬でも吠え癖は治る!吠え癖のしつけ方
まず初めに、成犬でも吠え癖は治ります。元より吠え癖があると飼い主さんが思った段階で代替のワンちゃんが成犬ではないでしょうか。成犬だからしつけのし直しは大変なのでは?
とお思いの方。正解です。大変です。ですが、直してあげないといつまでたってもワンちゃんも飼い主さんもストレスになるんです。ご近所の方もそうです。でも思ったよりも大変ではないかもしれませんよ。という事でここからは吠え癖の治すポイントをご紹介していきます。
その叱り方間違ってない?吠えると怒るのは逆効果!?
柴犬ちゃんが吠えたときの対応ですが、「コラ!」や「ダメ!」「うるさい!」など怒っていませんか??それって実は逆効果何です。興奮して吠えている犬に向かって大きい声で怒っても火に油を注ぐだけです。ましてや叩いたりするのも良くありません。ワンちゃんが吠えているのには前述したように理由があります。その原因をしっかり理解してそれぞれに合った対応をする事が大切です。また、怒る・怒鳴るではなく叱るんです。「静かに」と低い声で伝えましょう。
静かになったら、褒めてあげよう
大事なのは、吠える事を止めた後です。吠える事を止めたら、静かにできた事を褒めてあげましょう。そうです。ワンちゃんは褒めて伸びる質なんです。褒めてあげて、静かにすると褒めてくれるんだという事を繰り返し刷り込むことが大切です。ただ、「吠えると褒められた!」と勘違いが起こってしまう可能性もあるので、吠えるのをやめてすぐは褒めず、少し時間を置いてワンちゃんが落ち着いたら褒めてあげて下さい。
柴犬のストレスを発散させよう
夜鳴きで悩んでいる方にお聞きします。ワンちゃんと日々コミュニケーションをとってあげていますか?運動は毎日させてあげていますか?吠え癖がついて好きだったはずのワンちゃんから距離が遠のいていませんか?まずはワンちゃんときちんと向き合ってあげましょう。柴犬は元々群れで生活をしていました。なので孤独を感じるとストレスを溜めてしまいます。クールな性格でひとりで自由に過ごすのが好きな柴犬ですが、一人で自由に過ごしているのと、一人ぼっちにさせているのとは違うお話です。特に外飼いの場合は室内飼いよりも孤独を感じてしまう事でしょう。なので屋外で飼っている場合はよりワンちゃんの事を気にかけてあげてください。毎日お散歩をする、少しの間でも遊ぶ時間を作る、ブラッシングや歯磨きなどケアをしてあげる、などコミュニケーションを取る機会を少しでも増やしてあげて下さい。また、夜の家族団らんの時間だけでもお部屋に入れてあげると柴犬ちゃんも寂しさも緩和されると思います。
運動が足りていなくて夜元気!という場合は、ワンちゃんの体力を消費しましょう。遊ぶ時間を増やしたり、夜にお散歩に行く事も効果的です。
成犬でも社会化は身につく
吠える理由でも書いたように、社会性が身についていない柴犬は必要以上に威嚇吠えをしてしまいます。成犬ではもう間に合わないのでは?と考えてしまいますが、子犬の時よりは時間がかかりますが、社会性は身につきます。あきらめたらそこで終了です。成犬の社会化の訓練は根気が大事になってきます。訓練法は子犬と同様に人や他の犬、生活の音やモノに触れさせ、慣れさせる事です。ただ、成犬は子犬よりも柔軟ではないので、慣れる事に時間がかかる事が想定されます。少しずつでいいので焦らずに様々な人・モノに触れさせてあげましょう。
警戒心の強い成犬の場合、威嚇吠えだけでなく「噛む」可能性もあるので、人に接する場合は注意して触ってもらいましょう。まずは頭をなでがちですが、頭はあんまり触られたくない部分なので噛まれる恐れがあります。慣れていない場合は体を触ってもらうようにしましょう。ただ、急に威嚇しだしたりするかもしれないので、必ず飼い主さんがそばにいる時にしましょう。
対犬の場合、たくさんのワンちゃんと会える場所と言えば「ドッグラン」ですね。とりあえずドッグランへ連れて行こう!というのはちょっと待ってください。社会化が出来ていないのに急にデビューさせてもワンちゃんもどうしていいか分かりませんね。まずはドッグランの中へ入らず、外から様子を見てみる、ドッグランの周りにもワンちゃん達がたくさん行き交っていると思うので、少しずつ他のワンちゃんと接してみてもいいかもしれません。もしドッグランへ行く場合もノーリードOKの所でもリードをつけて飼い主さんのコントロールが効く状態にしておきましょう。
吠え癖のしつけがうまく行かなかった場合の対策
吠え癖を直す為に、いろいろやってみたけどうまく行かないと悩んでいる飼い主さん。
あまり悩みすぎないでください。完璧な飼い主さんなんていません。
なんで私はうまくしつけが出来ないんだ、なんで治らないんだと一人で悩みを抱え込まないで下さい。上手くいかない事もあります。成犬であれば時間も必要なので、焦らないでください。
できる限りの事をやって、それでもうまく行かなかったら、ドッグトレーナーやしつけ教室など、しつけのプロに相談してみはいかがでしょうか。困ったら他の人の手を借りたって何にも問題はありません。
相談してみたら、自分が思っていたことではないポイントで吠え癖の原因が見つかるかもしれませんよ。
吠え癖はワンちゃんにとってもご家族にとってもストレスだと思います。
吠え癖は治ります。しっかりワンちゃんと向き合って吠え癖を克服してくださいね。
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