柴犬を初めてお家にお迎えする方へ、しつけのポイントをご紹介します。
恐らく、約3ヶ月くらいの子犬から飼い始める方が多いでしょう。今回は子犬の時期のしつけにスポットを当ててみました。
目次
柴犬の子犬のしつけはいつから始める?
まず初めに、柴犬のしつけの開始時期はいつがいいのでしょうか。
それは、お家に柴犬ちゃんがやって来たその日から始めることです。
しつけ!?子犬なのに!?とお思いでしょう。大丈夫です。最初から「お手!」としつけを始めるワケではありません。人間の赤ちゃんもそうですね。少しずつ色々な事を覚えてできるようになります。柴犬の子犬も同様に、ワンちゃんの成長具合に合わせて徐々にしつけの難易度を上げていきましょう。
時期別のしつけについては後程ご紹介していきます。
そして今回一番言いたい事は、「柴犬のしつけは子犬の頃がとっても重要」という事です。
子犬の時期はあっという間に過ぎてしまいますが、この時期に社会性や飼い主さんとの主従関係を学んでいく時期です。同じ事を子犬と成犬としつけをした場合、習得する時間は子犬の方が短いでしょう。人間に置き換えても、大人になり、思考やプライドなど凝り固まった大人と様々な事に興味があり、柔軟で素直な子供に同じ事を教えるとしたらどちらの方が先に習得するでしょうか。事柄にもよりますが、きっと様々な情報や経験をもっている大人よりも、子供の方がすんなりと入ってきて早く習得することも多いと思います。
それほど子供の時代は吸収率が良いんですね。柴犬も然り。真っ新な子犬の時に、社会がどういうものなのか、飼い主さんとの関係性はどんなものなのかを教えるのにぴったりの時期だといえます。
また、柴犬の性格って警戒心が他の犬に比べて強く、そして頑固です。飼い主さんにとても忠実でもあります。しっかりと子犬のうちにしつけをしておけば、過度に警戒することがなくなり、ワンちゃんも穏やかに過ごせることでしょう。逆に、この時期主従関係がしっかり構築できていないと、いう事をなかなか聞いてくれなかったり、自分が家族の中で一番偉いと勘違いすることにもなりかねないんですね。頑固な性格の柴犬ちゃん、しつけのし直しは結構パワーがかかると想定されます。
こういった性格から見ても子犬の時期にやっておいた方が飼い主さんにとってもワンちゃんにとってもいい事が多いんではないでしょうか。
次に時期ごとのしつけの目的やポイントについて紹介していきます。
来た初日から~3ヶ月
ドキドキの初日からできる事、それは「お家に慣れてもらう」事です。これから過ごす環境に慣れさせる事も立派なしつけです。ブリーダーさんの所にいた柴犬ちゃんであれば、それまでお母さんや兄弟だちと一緒に過ごしていたことでしょう。それがある日突然家族と話され、一人ぼっちになったように感じ、きっと心細いと思います。ですが、新しい家族もできるわけで、ここはワンちゃんにとってお家で、飼い主さんは家族なんだという事を覚えてもらう時期です。
では具体的な「お家に慣れてもらう」トレーニングについてです。
名前を覚える
これまでなかった自分の名前をワンちゃんに覚えてもらいましょう。名前は飼い主さんにわんちゃんの注目を集める(アイコンタクト)という意味合いがあります。
名前を認識してもらう為に、ポジティブな状況で名前を意識して呼びましょう。例えば遊んでいる時、ご飯をあげる時、柴犬ちゃんが喜んでいる時などです。名前の呼び始めの時にネガティブな時にばかり名前を呼んでいると、「名前呼ばれる=悪い事がある」と間違った認識をしてしまう可能性があります。そういった認識を持ってしまうと、飼い主さんが何気なく「〇〇~♪」と名前を呼んだ時に、ビクビクして怖がってどんな悪い事が起こるんだろうと怯えてしまう事でしょう。この名前を覚える段階で、ダメ!と強く怒るのもいかがなものかと思います。赤ちゃん同様、最初は色々出来なくて当然です。焦らず大きな心でワンちゃんの成長を見守ってあげましょう。
トイレトレーニング
特に室内で飼う場合はトイレトレーニングを最初から教えるようにしましょう。柴犬はそもそもとてもきれい好きなので成犬になってくるとお散歩の時などお家の外でしか排泄をしない傾向にありますが、「お家の中のトイレはここ!お家でもトイレをしていいんだよ。」という事を教えておくとワンちゃんにとっても飼い主さんにとってもラクになるかと思います。
最初からではなく少し慣れてからでもいいんじゃない?とお思いの方もいらっしゃると思いますが、前述したように、大きくなってからのしつけのし直し程パワーのかかる事はありません。最初からきちんとしつけしておく事がワンちゃん、飼い主さん双方にとってメリットが多きかと思います。
トイレトレニンーグのコツは、この3点です。
①まずはトイレシートを広めに、たくさん敷いておく。
②トイレシートの中で排泄ができたら褒める!!
③段々トイレシートの置く範囲を狭まて行く。
このような順でトイレシートでの排泄を教えていってください。
トイレトレーニングについてはこちらも見てみて下さいね。
4~6ヶ月
次に4~6ヶ月の柴犬ちゃんのしつけについてご紹介します。
お家に来てからすこし時間も経ち、徐々に飼い主さんとの生活にも慣れてきている事でしょう。人間の年齢に換算すると、6~9歳くらいの年齢です。まさに様々な事を学ぶ時期ですね。この時期はベーシックなしつけを行っていきます。ベーシックなしつけを行う事で、飼い主さんとのコミュニケーションを深め、主従関係をしっかり構築・認識をさせていきます。
また、4ヶ月~6ヶ月の頃は社会性が身につく非常に大事な期間です。ここを逃してしまうと成犬になってからの社会化訓練は大変になってくるのでしっかりしつけを行いましょう。
ベーシックなしつけ
ベーシックなしつけとは、「お座り」「お手」といったコマンドです。
コマンドの詳しい教え方はこちらを見てみてくださいね。(https://tanoshiba.jp/traning/shiba_command/)
この基本的なコマンドの最初は「お座り」から始めましょう。因みに、なぜ「お座り」を覚えさせるのでしょう。
お座りは野生の犬がする動作ではありません。お座りをさせる事でワンちゃんが落ち着き、飼い主さんに集中することができます。「お座り」を覚えておく事で、お客さんがお家に来た時や、ワンちゃんが興奮している時などに興奮を抑える事ができ、とても有効なのでまず覚えて欲しいコマンドですね。そして、しつけをする時の重要なポイント、「出来たら褒める!」を
大袈裟なくらいしてあげましょう。そうすると、ワンちゃんも覚える事が楽しくなって、色んな事ができるようになると思います。コマンドを覚えるトレーニングを楽しみながらやっていきましょう。そして、「お座り」ができたら次は「お手」次は「待て」と少しずつコマンドを増やしていきましょう。
社会化を養う
社会化とは、ヒトの社会、飼い主さんとの生活の中にある様々な刺激に慣れる事。そして社会に適応する能力を養う事です。その為にやるべき事はお散歩や様々なヒト、モノに触れさせる事です。
4ヶ月に入ると、ワクチン接種も終わり、お医者さんからお散歩してもいいよと言われる頃ではないでしょうか。お散歩はしつけをするのにぴったりです。社会性を養う事、柴犬ちゃんのストレス解消、運動不足解消など様々な意味合いが含まれます。お散歩では子犬にとって初めて見る車や自転車や他の犬、通りすがりの人などたくさんの刺激がいっぱいです。怖がるから、もう少し大きくなってからでいいかなぁと先延ばしにしてしまうと、この社会化期をあっという間に過ぎてしまいます。物怖じしない子であれば問題ありませんが、怖がりな子は特に
この慣れが重要になってきます。最初は短い距離から徐々にお散歩の距離を伸ばしていけば大丈夫です。始めの一歩は早めから進めていきましょう。
そして、社会性を身に着ける為に、子供やおじいちゃんおばあちゃんなど様々なヒトに接してもらいましょう。お家を訪れる郵便局の人や宅急便の人などにも慣れておくと、毎回警戒して吠えるといった行為が少なくなるかもしれません。犬同士で触れ合う事も大切です。犬同士でのコミュニケーションは人とは違うマナーや接し方がありますが、それは飼い主さんでは教えてあげられません。他の犬とのトラブルを避ける為にも、先輩ワンコ達と遊んだり触れ合って
ワンちゃん同士のお付き合いをご指導頂きましょう。
甘噛み・噛み癖のしつけ
生後4~6ヶ月の頃はよく甘噛みをします。理由の一つは歯が抜け変わる時期で、歯がかゆくなり甘噛みを頻繁にします。本当に四六時中カミカミカミと何かしらを噛んでいることでしょう。もう一つは噛むことが楽しい、遊びの一環で甘噛みをしています。「ねぇねぇ遊んでよー♪」と言わんばかり飼い主さんの手を甘噛みしたりします。可愛いなぁとか、歯が痒いから仕方ないねで終わらせないようにしましょう。甘噛みを「ダメ」と教えられないと、ワンちゃんはやってもいいんだという認識ができてしまいます。歯が痒い場合は永久歯に生え変わると自然にやめるので、デンタルトイや噛む用のおもちゃを与えてあげて下さい。
遊びの甘噛みについてはきちんとしつけが必要です。手などを甘噛みをしてきた時に「痛い!!」大袈裟に反応してみましょう。痛がる振りをしてもいいと思います。
そうしてワンちゃんにこれは良くないという事を示します。また、ダメな事を教える時はわかりやすく一言「ダメ!」や「NO!」と言って悪い事をしたよとワンちゃんに伝えます。
もし次に同じように手を噛まなかったらその時は褒めてあげて下さい。
この反復が大切です。間違っても叩いたり、マズルをつかんで怒ったりしないでくださいね。
ワンちゃんはそうすると、恐怖心が芽生えて余計に噛む様になるかもしれません。また、噛んでもいいおもちゃを常備しておき、家具等を噛んだ場合も手を噛んだ時同様にダメだよという事を分かりやすく伝えましょう。また、誤飲の恐れもあるので基本的には噛まれたくないものはワンちゃんの過ごすスペースには置かない事をおすすめします。
お家の中ではサークルやキッチンなど部屋の間に柵をつけたりしてもいいと思います。
こうやってみると、4~6ヶ月は色々教える事が多くて大変かも。。。と思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、ワンちゃんにとってグングン成長していくとても大事な時期なので、今後ワンちゃんがいい子に育つためにもしっかり向き合っていきましょう。
7ヶ月~1歳
さて、いよいよ1歳を迎えるまでの7ヶ月~の期間です。人間でいうと10歳~16歳と非常に多感な思春期に当たります。この頃になると、飼い主さんとの生活にも慣れ、基本的なコマンドをマスターしてきている頃でしょうか。色々出来てきて成長を感じる時期ですね。
実は人間同様にわんちゃんにも反抗期が訪れます。全くない子も中にはいるかもしれませんが、柴犬の様に野生に近しい遺伝子を持っている日本犬の場合、反抗期が出てくる可能性があります。反抗期はワンちゃんによってそれぞれなので、もしかするともう少し早く反抗的な態度を取る子もいるかもしれません。自我が芽生えると、これは嫌だ!などはっきりと態度に出すようになります。また、今までは上手に出来ていたトイレができなくなったり、コマンドを聞かないなどの行動が出てくるかと思います。情緒不安定にもなるので、物音や人など周りに敏感になるので、無駄に吠える事も増えるかもしれません。
こうなると飼い主さんもなんで言う事を聞かないんだろう、なんで出来ないの?と悩んでしまう事でしょう。この反抗期のポイントは、焦らず根気よくしつけをする事です。感情的になって怒ったり叩いたりしないでください。人間の思春期もそうですが、怒ると逆効果で、火に油を注ぐだけです。ワンちゃんを理解してあげる事。反抗期があると分かっていれば、失敗したり、言う事を聞かなかったりしても、「あー、今は反抗期なのかなー?」とこちらも少し気持ちも収まりますね。
反抗期はいつまでも続くものではありません。ワンちゃんを見守り、ダメな事はこれまで通り「ダメ」と分かりやすく伝えましょう。もう一度言いますが、叩いたり、怒鳴ったりしない事です。反対に甘やかすのも良くありません。あくまでも飼い主さんがリーダーなのは変わりないので、主従関係はきっちりと示す事は大切です。
1歳以降のしつけ
1歳を過ぎると体つきは大きくなり、ほぼ成犬といった所まで成長しています。ヒトに年齢換算すると17歳です。高2くらいですね。高2の頃を思い浮かべると、確かに背はもうほとんど伸びなくなり、今と変わらない感じに仕上がっている事でしょう。1歳までには基本的なしつけは全てコンプリートしておきたいところです。なので、1歳からはこれまでに出来ていない事をしつけし直すといった所がメインとなってくるでしょう。1歳になるとしつけができないワケではありませんが、子犬の頃より習得までの時間がかかる事が想定しておきましょう。また、社会性が1歳までに身についていない場合は根気よく社会化の訓練を続けていきましょう。放っておく事が一番良くありません。
どうしてもしつけや社会化の訓練がうまく行かない時は一人で悩まず、ワン友さんのうまくいった事例を聞いたり、しつけ教室に行ってみたり、自分とは違うやり方を試してみるのもいいと思います。
普段のお散歩やドッグランなどで是非ワン友さんを作ってみてはいかがですか?
柴犬のしつけのポイント
それでは最後に、柴犬ちゃんのしつけのポイントをご紹介。
・しつけは1回15分まで!
・ワンちゃんの気が散るものは近くに置かない
・しつけの言葉は統一しよう
柴犬は短期集中型のしつけが合っています。無駄にダラダラ続けるよりも、時間を決めて集中的に行いましょう。また、集中させる為にも愛犬の気が散るような場所やモノを近くに置かず、ワンちゃんが飼い主さんに集中してくれる環境づくりがしつけの始めにとても大切です。
しつけが定着すれば、そこまで環境に気を使う必要はなくなります。しつけは最初が肝心。なのでまずは環境を整えましょう。
そして、しつけをする際は端的な言葉で、同じ言葉を使ってコマンドを覚えさせましょう。そうでないと、ワンちゃんは何が正解なのか混乱してしまいます。家族でコマンドを統一させてしつけをしていきましょう。
1歳までに覚えて欲しい事はたくさんありますが、その分ワンちゃんとのコミュニケーションが増え、きっと信頼関係、飼い主さんが群れのリーダーなんだと理解してくれるはずです。
ワンちゃんが生活しやすい為にもしつけは小さい頃から始めて下さいね。
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